BE:FIRSTが『Mステ』初出演で（曲尺以外）好待遇で大成功、非ジャニ国内ボーイズGトップ位置付けか

（目次）・TOP
・『Mステ』的にはBE:FIRSTが非ジャニーズ国内ボーイズGトップとの印象―BE:FIRSTだけの強みとは
・BE:FIRSTはジャニーズの代わりにはならない→さっさと海外進出すべきでは
・注目度が高い『Mステ』放送回でBE:FIRSTは3曲パフォーマンス披露の好待遇
・『Mステ』改革の限界も露呈―曲尺短縮でアーティストへのリスペクト不足、懐メロランキング依存
・『Mステ』から完全にジャニーズ忖度が消滅するとは思えない
・商品情報（PR）

SKY-HIの2021年のオーディション「THE FIRST」で誕生したBMSG所属の7人組ボーイズグループ・BE:FIRSTが、2023年9月29日のテレビ朝日系「ミュージックステーション」（Mステ）3時間スペシャルに初登場を果たし、計3曲のパフォーマンス披露という好待遇だった。

ただし、パフォーマンスの曲の尺が短縮させられていて、アーティストに対するリスペクトが不足している感がある。相変わらずのランキング企画の内容や文春が報道したテレ朝とジャニーズによるジャニーズ専用劇場建設プロジェクトを考慮しても、今後「Mステ」のジャニーズ忖度が完全に消滅するとは思えなかった。

筆者はBE:FIRSTの課金ファンでないが、オーディション「THE FIRST」は観ていて、実力の高いグループであることは確かなので、MV等は観ている。今回は注目度が特に高い「Mステ」の放送回だったが、見事なパフォーマンスと好感度で初出演を大成功させた。BE:FIRSTの実力と自信、それにSKY-HIのプロデュース力・交渉力の賜物だろう。

『Mステ』的にはBE:FIRSTが非ジャニーズ国内ボーイズGトップとの印象―BE:FIRSTだけの強みとは

今回のBE:FIRSTの「Mステ」初出演の意義は何か。別に「Mステ」以外の音楽番組は、以前からBE:FIRSTを含む非ジャニーズ国内ボーイズグループにも門戸を開放しているので、今回の門戸開放は「Mステ」（およびジャニーズ）には大きな節目となったとはいえ、音楽業界の大きな転換点というのはやや大袈裟だと思う。

BE: FIRSTの観点で見ると、少なくとも「Mステ」的にはBE:FIRSTを現在、非ジャニーズ国内ボーイズグループのトップグループとみなしているように感じた。

他のグループになくてBE:FIRSTにある強みは、何と言っても、SKY-HIのプロデュース力や売り込み戦略の巧みさだ。もしBE:FIRSTが他の事務所の所属だったら、ここまで上手く売り込めていないのではないか。もっとも、SKY-HIは自身がBE:FIRSTファンだと言っていたので、BMSGのアーティストの中でBE:FIRSTは別格なのだろう。

また、SKY-HIがオーディション当時からこだわり続けた実力主義により、視聴者のリスペクトを得られている。具体的には、メンバー全員の歌唱力が高く、しかも、ハイレベルなダンスを踊りながら、ハンドマイクで必ず生歌唱していることだ。

高難度ダンスの完成度を優先するK-POP勢だと、激しいダンス曲の場合は弱音の歌唱音源に生歌をかぶせる方式が主流で、そのほうが生放送の音楽番組の音響スタッフにも楽なはずだが、BE:FIRSTはSKY-HIの方針とみられる生歌のみで通している。これは生放送の音響スタッフには大変な緊張・苦労を強いることになるが、純粋な生歌唱しか認めない日本の視聴者には支持される。

BE:FIRSTはジャニーズの代わりにはならない→さっさと海外進出すべきでは

ただ、BE:FIRSTは今回知名度がいっきにアップしたが、苦境に追い込まれているジャニーズの代わりにはならない。目指すところが“国民的アイドル”ではないから、ジャニーズのように、全メンバーがバラバラにバラエティ番組、ドラマ、映画に進出しまくることはないだろう。また、最新曲の「Mainstream」はメッセージ性の強いヒップホップ曲で、世間から実力は認められても、大衆人気が獲得できるとは思えない。

だったら、さっさと海外活動を始めたほうがいいのではないか、と思う。具体的には、海外公演や海外フェスへの出演だ。そもそもそれが、SKY-HIのオーディション当初からの目標だったのだから。新しい学校のリーダーズだって海外フェスに出ているのだから、BE:FIRSTが出られないはずはないだろう。

注目度が高い『Mステ』放送回でBE:FIRSTは3曲パフォーマンス披露の好待遇

BE:FIRSTの「Mステ」初出演は8月の時点で決まっていたというが、9月7日のジャニーズ事務所の記者会見で「Mステ」がジャニーズ忖度番組だとやり玉に上がり、その席で東山紀之社長が忖度は「必要ありません」と明言したため、今回のBE:FIRSTの「Mステ」初出演をジャニーズ忖度終了と結び付けて捉えた視聴者も多かったとみられる。

ともあれ、ジャニーズ忖度終了と結びつけられたおかげで、BE:FIRSTの初出演に世間の関心が集まったことは間違いなく、「Mステ」のスタッフもこれを好機と捉えて話題性・視聴率アップにつなげるべく、BE:FIRSTを好待遇で迎えた。

BE:FIRSTの番組内でのパフォーマンス出演は計3回あった。これは「Mステ」のオファーとしては、かなりの好待遇だった。というのも、同じく今回初出演した日韓ボーイズグループ・TREASUREは、日本拠点でないから準備の点で不利で仕方ないとはいえ、1曲のみのパフォーマンス出演だったからだ。

BE:FIRSTの紹介VTRでは、BE:FIRSTの特徴や強みのポイントがナレーションと画面で、以下のようにしっかり示されていた。

・オーディション番組については一切触れなかったが、「SKY-HI総合プロデュース」であること
・数字の実績としては「プレデビュー曲『Shining One』以降、シングル全てでダウンロードチャート（画面にBillboard JAPAN Download Songsと表示）で1位」を獲っていること
・強みは「メンバー全員がメインボーカルと称される、7人7色の高い歌唱力」および「ダンス世界大会で4度優勝したSOTAを筆頭に、メンバー全員ダンススキルがハイレベル」

SOTAについては、2019年12月27日の「Mステ」に、山寺宏一×ダンスチームのダンサーとして「フレンド・ライク・ミー」のパフォーマンスで出演していたことが明かされ、その時の映像も流れた。SOTAはその時の振付も手がけたという。

今回のディズニーメドレー企画では、BE:FIRSTはトップバッターとして「フレンド・ライク・ミー」を踊りながら歌うパフォーマンスを披露した。見事だった。

BE:FIRSTの最新曲「Mainstream」披露は番組終盤で、100人ぐらいの大人数の覆面ダンサーが投入されて、度肝を抜いた。BTSが2018年の「NHK SONGS」出演時に、「Not Today」披露のために同じくらい大人数の覆面ダンサーを従えて来日したことを思い出した。日本の歌番組はステージ演出のコストはテレビ局持ちだから、テレ朝はそういう演出の人件費コストは惜しまなかったわけだ。

『Mステ』改革の限界も露呈―曲尺短縮でアーティストへのリスペクト不足、懐メロランキング依存

BE:FIRSTが初出演にして3曲のパフォーマンス披露だったことは好待遇だったが、他の多くの日本の音楽番組同様、「Mステ」も曲の尺はテレビサイズに短縮させられた。BE:FIRSTの代表曲「Bye-Good-Bye」のパフォーマンスの尺は約2分25秒（原曲は3分1秒）、最新曲「Mainstream」のパフォーマンスの尺は約3分1秒（原曲は3分27秒）だった。

日本を代表する音楽番組を自任しながらテレビサイズにさせるというのは、アーティストへのリスペクトが不足していて、「出演させてやる」という傲慢さがうかがえる。

今回の「Mステ」SＰは3時間もあるのに、かなりの時間を21世紀と20世紀のダンス曲人気ランキングに費やしていた。だったらフルサイズ歌唱させろよ、と思った。

ちなみに、いつも思うが、「Mステ」のランキング企画は客観性に乏しいことが多く、「誰に聞いたんだよ？」とツッコミたくなるほど、恣意的に選ばれている印象がある。

今回の企画で言うと、過去1年くらいのダンス曲人気ランキングなら分かるが、21世紀のランキングには数年前の曲も登場していたし、20世紀のダンス曲の人気ランキングもしっかりやっていた。BE:FIRSTの「Bye-Good-Bye」が21世紀のダンス曲ランキングの10位ギリギリに登場していたのは興味深かったが、初出演に花を添えたかったのか、という気もした。

「Mステ」も「CDTV」もそうだが、J-POP全勢時代の90年代（または1980年頃～2010年頃）に青春期を過ごした中高年視聴者の関心をつなぎとめたいのか、懐メロランキング特集が多すぎる。過去を懐かしむ中高年の視聴率を当てにするようでは、番組に発展性がなく、衰退するだけだ。自分たちの番組を新たなヒット曲を生み出す原動力としたいという気概はないのだろうか。

『Mステ』から完全にジャニーズ忖度が消滅するとは思えない

なお、このダンス曲ランキングに登場した計20曲のうち3曲がジャニーズの曲（嵐、Snow Man、King ＆ Princeの曲）で、それらの紹介VTRの中に相変わらずジャニーズ忖度の片りんを感じたのは、筆者だけだろうか。

「Mステ」が長らくジャニーズと競合する国内ボーイズグループを出演させていなかったのは周知の事実で、それは現場スタッフの意思と関係なく、テレビ朝日の上層部とジャニーズ事務所との密接なつながりがあったからとみられている。

今後「Mステ」のジャニーズ忖度が完全になくなるかについては、筆者は半信半疑だ。今後については、たまに非ジャニーズ国内ボーイズグループが出演するが、ジャニーズがほぼ毎回出演の慣例も残るのではないか。

というのも、週間文春が、テレ朝とジャニーズが2026年開業予定のジャニーズ専用劇場を含む複合施設の建設プロジェクトを既に決定していることを暴露したからだ。もはやテレ朝とジャニーズは切っても切れない仲なのではないか。

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*BE:FIRSTの2023年8月18日（金）リリースのデジタルシングル「Salvia -Anime Size-」はアニメ「範馬刃牙　2期地上最強の親子喧嘩編」のエンディングテーマ曲。

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*BE:FIRSTが2023年6月12日（月）に配信リリースしたソウルフルな特別アレンジの「Bye-Good-Bye - From THE FIRST TAKE」。

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*BE:FIRSTの2023年4月26日（水）発売の3rdシングル「Smile Again」は、全形態共通で表題曲「Smile Again」、「Boom Boom Back」を含む3曲を収録。CDシングルは以下の4形態7種で販売され、全形態でスマプラ対応となっている。
[1] （Type-Aと記載のストアあり）リード曲と「Boom Boom Back」のミュージックビデオ（MV）およびMVビハインド映像が収録されたBlu-rayまたはDVD付き[CD+Blu-ray]または[CD+DVD]。初回プレス分にはトレーディングカードC（全7種から1種ランダム）と応募抽選特典シリアルコードを封入。
[2] （Type-Bと記載のストアあり）リード曲のレコーディングやジャケット写真撮影のビハインド映像が収録されたB２６lu-rayまたはDVD付き[CD+Blu-ray]または[CD+DVD]。初回プレス分にはトレーディングカードB（全7種から1種ランダム）と応募抽選特典シリアルコードを封入。
[3] CDのみの通常盤。初回プレス分にはトレーディングカードA（全7種から1種ランダム）と応募抽選特典シリアルコードを封入。
[4] リード曲、「Boom Boom Back」、「Message」のMV、「Milli-Billi」のスペシャル・ダンスパフォーマンス映像、これらMVやパフォーマンス映像のビハインド映像、リード曲のビハインド映像が収録され、フォトブックも付いたBMSG MUSIC SHOP専売の初回生産限定盤[CD+Blu-ray]または[CD+DVD]。

応募抽選特典シリアルコードを用いて、5月21日開催のトークショーの抽選招待（現地111名、配信11,000名）、メンバー全員直筆サイン入りSmileフォトカード、ソロフォトカードセット、MV登場チェキの抽選プレゼントに応募できる。

*BE:FIRSTの2023年2月13日リリースのデジタルシングル「Boom Boom Back」はハイブリッドなヒップホップ・ダンスナンバー。MVは2000年代の渋谷をモチーフにした世界観。

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Apple Music/ iTunes: Boom Boom Back (BE:FIRST) 2023/2/13
レコチョク: Boom Boom Back (BE:FIRST) 2023/2/13

Apple Music

*BE:FIRSTの2022年8月31日（水）発売の1stアルバム「BE:1」は、新曲8曲を含む全15曲を全形態共通で収録。ただし、初回生産限定盤のみボーナストラック「To The First」を追加収録。CDアルバム「BE:1」はCDのみの初回生産限定盤[CD]、Blu-ray2枚組またはDVD 2枚組付きの【ライブ映像】通常盤[CD+2Blu-ray][CD+2DVD]、Blu-ray1枚またはDVD1枚付きの【MV】通常盤[CD+Blu-ray][CD+DVD]、Blu-ray2枚組またはDVD 2枚組付きのBMSG MUSIC SHOP限定盤[CD+2Blu-ray][CD+2DVD]の4形態7種で販売。

CDのみの初回生産限定盤[CD]には、トレーディングカードA（全7種から1種ランダム）、アナザージャケット（全7種から1種ランダム）、応募抽選特典シリアルコードを封入。Blu-ray2枚組またはDVD 2枚組付きのライブ映像通常盤[CD+2Blu-ray/2DVD]の映像には、「"Bye-Good-Bye” One-day One Man Show」ライブ映像およびビハインド映像、「Bye-Good-Bye」および「Gifted.」のChasing Cameraを収録し、トレーディングカードB（全7種から1種ランダム）、ステッカーセット、応募抽選特典シリアルコードを封入。Blu-ray1枚またはDVD1枚付き通常盤[CD+Blu-ray/DVD]の映像には、ミュージックビデオ（MV）集を収録し、トレーディングカードC（全7種から1種ランダム）、ステッカーセット、応募抽選特典シリアルコードを封入。BMSG MUSIC SHOP限定盤[CD+2Blu-ray/2DVD]の映像には、「"Bye-Good-Bye” One-day One Man Show」ライブ映像およびビハインド映像、「Bye-Good-Bye」および「Gifted.」のChasing Camera、さらにMV集を収録し、フォトブックとステッカーセットを封入（応募抽選特典シリアルコードはない）。