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SKY-HIテレ東発言-重要な音楽チャートはビルボード、YouTube再生数水増し問題、Spotifyプレイリストに載る意義

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一番sure(確か)な音楽チャートはビルボード(Billboard JAPAN HOT 100)
YouTube動画再生数は広告で水増し可能→『いいね』・コメントの数、Spotify月間リスナー数で真の人気を評価
Spotify、Apple Music、Amazon Musicのプレイリストに載ることがアーティストの成功に重要

BE: FIRSTを発掘し成功させたSKY-HIこと日高光啓BMSG代表取締役CEOが出演した「豊島晋作のテレ東経済ニュースアカデミー」の2023年6月22日放送回「SKY-HIが語る音楽業界の危機~J-POPは世界で勝てない?~」が、YouTubeのテレ東BIZチャンネルに6月24日に公開された。

・YouTubeのテレ東BIZチャンネルに2023年6月24日に公開された SKY-HIが語る音楽業界の危機~J-POPは世界で勝てない?~【豊島晋作のテレ東経済ニュースアカデミー】(2023年6月24日)(52分)

この50分番組で、SKY-HIはJ-POPが世界で勝てない理由、韓国音楽業界との違い、日本の音楽業界の変化やBMSGの戦略など、さまざまなトピック・問題について興味深い発言をしている。

その中で、ここでは、重要な音楽チャートは何か、YouTube動画再生数の水増し問題とアーティストの真の人気を示す指標、世界的音楽配信サービス(Spotifyなど)のプレイリストに載る重要性についての部分を中心に、整理してみた。

一番sure(確か)な音楽チャートはビルボード(Billboard JAPAN HOT 100)

動画の21分10秒あたりからだ。SKY-HIはこう語っている。

「最近はストリーミングが盛り上がってきているので、日本の音楽業界自体は健全な方向に向かっている感じはあります」

「ビルボードが一番sure(確か)なチャートであることは間違いない、と思います。なぜなら、多角的にちゃんと捉えるから」「CDの発売もそうですし、CDであったり、ストリーミング、ダウンロード、YouTube、ラジオでかかっているか、とかがあったとするじゃないですか」

ビルボードの多角的チャートと言えば、日本では総合ソングチャートのBillboard JAPAN HOT 100で、既に音楽ファンではこのチャートを重視している人も多い。SKY-HIはBE:FIRSTのデビュー当時からBillboard JAPAN HOT 100重視を公言してきた。さらにSKY-HIは、このチャートのもう1つ優れている点である、各項目の比重(ウェイト)見直しについてもこう述べた。

「それをしかも、四半期ごとにバランス取るんですよね。たとえば市場的に、CDっていうのはアイドルグループを応援している方がやっぱり1人で10、20、30、100、200と買ってしまうので、ちょっとCDの指標、落としましょう、とか」

「ストリーミングは、ストリーミングの再生キャンペーンっていうものを多発されてしまっているので、チャートとしての健全性を保つために、落としましょう、とか」

豊島キャスターが「調整している?」と尋ねると、SKY-HIは「そうですね。ここのチャートは逆に伸ばしましょう、とか、そういったことを四半期ごとにやられているので、やっぱりsureなチャートにはなってると、本当に思いますね」

豊島キャスターが「業界の人はやっぱりビルボード・ランキングを見ている?」と尋ねると、SKY-HIは「見ますね」と答えた。豊島キャスターがさらに「経営指標としても見てる?」と問うと、SKY-HIは「見ます」と言った。

YouTube動画再生数は広告で水増し可能→『いいね』・コメントの数、Spotify月間リスナー数で真の人気を評価

さらにSKY-HIは「あとはやっぱり、見えてしまう数字が幾つかあるじゃないですか、世の中に。たとえばYouTubeの何万再生であったりとか」

「正直、YouTubeの再生回数って、『再生回数を買う』って言葉がたまにあるんですけど、広告を多分に、世界各国に出稿してしまえば、一時的な再生回数だけは伸びるので、再生回数だけではなくて」

「実際にクリックしてみると、やっぱあるので。3,000万再生とかで、『え、この男の子たち、こんなに行ってるんだ』と思って見てみると、『いいね』の数が少なかったり、コメントの数が少なかったり。物理的にただ再生回数だけを水増しするという作業は、可能だと思います」 SKY-HIは具体名を出さなかったが、ファンダムの間でも話題になっているので、某グループのことだろう、とピンと来た。厳しい。

SKY-HIはアーティストの人気を正しく評価できる指標について、こう述べた。「(YouTubeの)『いいね』の数、コメントの数、そしてSpotifyで月間に何万人のリスナーがついているのっていうのを、多角的に併せて見て、人気をちゃんと見るようにはしてますね」「だから、各々のビルボード・チャートを各々の哲学に合わせて、事務所さんやレーベルさんが持っているっていう時代ではあると思います」

1つのYouTube動画の“いいね”ボタンは、1カウントにつき1回しか押せない。また、韓国でもストリーミング人気は再生数でなくユニーク・リスナー数で評価される傾向にある。

Spotify、Apple Music、Amazon Musicのプレイリストに載ることがアーティストの成功に重要

豊島キャスターが「BSP(Digital Service Provider)の動向が、相当音楽業界に影響を与えている。つまり、Spotify、Apple Music、Amazon Musicみたいな。そこのプレイリストに載るかどうかっていうのが、相当アーティストの成功を分けてくる」と問題提起した。ここで重視されているのは、世界三大音楽配信サービスであるSpotify、Apple Music、Amazon Musicのみだ。

するとSKY-HIは「そうですね。それはもう、メインテーマにするアーティストも少なくないと思います」と同意した。

どうやってそれらのDSPのプレイリストに載るのか、という重要課題について問われると、SKY-HIは「こればっかりは・・・」と言葉に詰まり、こう述べた。

「結局、コミュニケーション先が変わったと捉えると、分かりやすいかもしれないです。今まではリスナーとアーティストのコミュニケーションだった。アーティストは市場を見て、マーケットがこうなので、こういったものを求められているんじゃないかな」「今は結構分かれているので。20年前とかって、GLAYさんがヒット曲出したら、みんな知ってた。SMAPさんが新曲出したらみんな知ってた」

「昔で言うところの市場に近いのが、BSPのプレイリストを作っている方々。Editor(編集者)がそれぞれの会社のプレイリストに、Appleさん、Amazonさんにいらっしゃって、しかも国ごとにものすごい数の方がいらっしゃって」

「このプレイリストに入ったら未来が開けそうだなって方がいたら、そこを明確に狙って。何カ月も前からそこに入るのはこういうのじゃないかなって」つまり、これが今どきの世界的に活躍したいアーティストの重要戦略になっているのだ。

「そこのコンタクトだけは、誰でもできるんですよね。ただ、ものすごい数来るけど」「Spotifyさんがいて、SpotifyのEditorさんがいて、ここにもう1つ2つ部署があるとして、『ああいうプレイリストに入りたいので』ってピッチングの内容を作って、タグをいっぱい付けて、『これはこういう曲、こういう楽器が入ってる、こういうジャンルで、こういう時間帯に合うと思う』って」

「要は、どういうプレイリストに入りたいかの意思表示。それでも、入れるか入れないか分かんない。オフィシャルなEditorの方に直接お会いする機会って、基本的にない」

豊島キャスターがその理由について、「公正さ。信頼性にかかわるから?」と尋ねると、SKY-HIは「そうです」と答えた。

巨大DSP(“big tech”)のプレイリストのEditorが権力を持っているかと問われると、SKY-HIは「権力までいかないのが、いいところかな」との見方を示した。

豊島キャスターが「世の中の人が聴いて、この音楽いいねっていう前提、共通了解があるようにならないと、そのプレイリストが成立して行かない」と言うと、SKY-HIは「そうです」と同意し、「そこに濁りが入ってくると、そこのプレイリスト自体の信頼が落ちて、そこの登録者数が減っていくだけなので。結構純粋なコミュニケーションが成功している」との見解を述べた。

豊島キャスターが「プレイリスト目指してプロモーションする。いろんなハッシュタグ付けて、こういうシチュエーションで聴く音楽、こういう尺でこういう音楽ですよ、みたいなのをすごく意識して楽曲を出すってことは、今アーティストも結構やっている人が多い?」と尋ねた。

すると、SKY-HIは「タグを付けるとか、長い英語の文章を作って送るのとかは、(自分を指さして)こちら側の仕事なので」と述べた。つまりマネジメント側の仕事だ。巨大DSPを意識したテキストの作り方みたいなもの?との問いに、SKY-HIは「みたいなものを、マネジメント事務所とかはやられていることが多いと思います」と答えた。

BMSGもやっているかとの質問に、SKY-HIは「そうですね。やっぱりBE:FIRSTをデビューさせたのは2021年の11月ですけど、やっぱりSpotifyの月間リスナー100万人っていうのは、絶対行きたかったんですよね、早い段階で。そのために何が必要かっていうと、コンスタントな楽曲のリリースと、できる限り大きなプレイリストに入りたいっていう2つがあったんですけど、それに成功したのは間違いないと思います」と述べた。

BE:FIRSTの世界戦略の1つとして、SKY-HIは早い段階から、世界的音楽配信サービスであるSpotifyでの月間リスナー数100万人を目指し、それを見事に達成した。日本のボーイズグループの多くはCD中心でストリーミングに非常に弱いが、BE:FIRSTはストリーミングに非常に強い。

しかも世界トップレベルのSpotifyでの月間リスナー100万人を最初から狙っていたいう、日本の他のボーイズグループでは類を見ない戦略で成功したのも見事だ。

では、どうやったら3大DSPのプレイリストに入れてもらえそうかについては、SKY-HIはこう語った。

「今、プレイリストにしっかりと入る。Editorって結局、超強烈な音楽オタクなわけじゃないですか。そういう人の心に刺さるものって何かって言ったら、こいつめちゃめちゃ好きなことやってんなとか、そっちになってくるので。20年前とかの芸能の『戦略と政治』の時代のカウンター(反対)で、今『衝動と純粋性』の時代になってるので、うちみたいな会社がちゃんと上手く行けている」

また、SKY-HIは「あとはメディアさんそれぞれとの関係値とかで、また難しいものが出てくると思うんですけど」と言いつつも、「今は音楽業界と芸能界が良くも悪くも、しっかり分離している」と付け加えた。

*SKY-HIと豊島キャスターの日本人グローバル・ガールズグループ・XGに関する発言については、2023年6月25日付「XGが『KCON LA 2023』8月20日SHOWCASE出演決定/ ボーカル3人の極上歌唱PV/ SKY-HIがXGに言及」の後半を参照されたい。


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