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SKY-HIオーディション『THE FIRST』#15―テン脱落で11人に/『独断と偏見』/課題曲がチャート上位

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テン脱落で11人に
SKY-HIが自ら語った選考方針は『独断と偏見』
課題曲『Be Free』と『Move On』はデジタルランキングで上位にランクイン
問題は、ジャニーズと競合する日本人ボーイズグループにどれだけ露出機会があるか
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AAA(トリプルA)のラッパーでソロアーティストとしても活動しているSKY-HI(日高光啓)がプロデューサーとして主催しているグローバル・ボーイズグループ発掘・育成のサバイバル・オーディション「THE FIRST -BMSG Audition 2021-」は、山中湖合宿の第4次審査の第2ステージの結果のダイジェストが2021年7月8日・9日の朝の日本テレビ系「スッキリ」で放送された。9日夜に全容がHuluで第15回として配信される。

第4次審査の第2ステージでは、12人が2チームに分かれて、それぞれ別のプロが提供した楽曲と振付で、パフォーマンスを披露し、そのパフォーマンスのみを観てSKY-HIが個人の順位とチームの勝敗を決め、負けたチームの個人順位最下位の1人が脱落させられた。その脱落者はテン(19)だった。

テン脱落で11人に

テンの脱落は、特にサプライズではなかった。正直筆者は、今回脱落させられる1人は、テンかリョウキ(21)のいずれかだろうと予想していた。

リョウキこと三山凌輝は既に俳優として活動していて、Smart FLASHの2021年5月24日18時配信の記事に、女性タレントとの熱愛が5月中旬に撮られたツーショット写真付きで掲載され、しかも「THE FIRST」で次の審査に進んだと示唆されて、「ネタバレ」だと一部視聴者がSNSで憤慨していた。

しかし、リョウキは残留し、しかも6位という高い順位だった。Huluでの配信とスッキリでのダイジェスト放送は、実際のオーディションよりもかなり遅れているため、リョウキの報道がSKY-HIの目に触れたとしても、そのタイミングは、実際には中高生の春休みに行われた可能性のある第4次審査よりも後だったようだ。

テンに関しては、結果発表前の段階で、サバイバル・オーディション番組にありがちな、脱落者の問題点が事前に伝わるような編集の仕方になっていた感じがあったので、もしや、と思っていた。

テンはダンスの達人で、SKY-HIのミュージックビデオにも出演歴があり、SKY-HIに憧れていたから、このオーディションを受けたという。

しかし、スッキリの結果発表前の練習風景の映像の放送では、以前のテンのダンスの才能や未経験者に優しく教える姿が魅力として伝わる編集だったのとは一転し、ラップを直接指導していたSKY-HIの厳しい言葉と、追い込まれて危機感を抱きながら懸命に一人で練習するテンの姿が、クローズアップされていた。

テンにとって憧れだったSKY-HIが、テンのスタイルが自分とかぶっているのが気になり始めた、と率直に述べていた。それが直接テンに伝えらたとすれば、テンがショックを受け、危機感を覚えるには十分だっただろう。

テンの脱落発表後、SKY-HIは手厚くテンをフォローしてくれたが、その際にテンの努力をアーティストではなく「アスリートのようなストイックさ」と評した。つまり、優れたダンススキルや人柄は認めるが、プロのアーティストになることは別物で、形から入って努力してもアーティストへの道とずれている、という本質的判断だったように思う。

脱落したことについて、テンは「この結果になると、正直思っていました」「日高さんに憧れて(中略)、日高さんのようになりたいっていうのが抜けなくて」と述べていた。

テンと仲間との涙のお別れシーンは辛かった。テンには、ここで一旦解放されて、リフレッシュしてから、また新たな目標を見つけてほしい。

まだ第4次審査は最後の第3ステージがあり、もう1人脱落させられる。現時点での順位を見ると、今デビュー組を決定するなら、上位5人ないし7人がSKY-HIの意中のメンバーなんだろうな、と感じる。

というのも、8位以下の順位だった候補者の多くに、課題として、短期間で是正するのはかなり厳しいものが明示されていたからだ。

8位のシュント(17)の課題は歌う時の「音程」だ。いくら声が褒められても、ボーカリストの音程がズレるのはまずい。9位のショウタ(23)はグループとしてのダンスの振りが揃っていない、つまりグループではなくソロに向いている可能性がある。10位のラン(18)は、踊りながら歌うとコントロールがきかなくなる。

11位のレイコについては、SKY-HIの具体的コメントは少なかった。ダンス初心者で参加したから、短期間でプロとして通用できるレベルに達することができるか否か、そろそろ見極めるべき時期に来ているのかもしれない。

第4次審査第2ステージの結果(カッコ内はチームの課題曲)

1位 ソウタ(Be Free)
2位 リュウヘイ(Be Free)
3位 マナト(Be Free)
4位 レオ(Be Free)
5位 ルイ(Be Free)
6位 リョウキ(Move On)
7位 ジュノン(Be Free)
8位 シュント(Move On)
9位 ショウタ(Move On)
10位 ラン(Move On)
11位 レイコ(Be Free)
12位【脱落】テン (Move On)

SKY-HIが自ら語った選考方針は『独断と偏見』

聡明なSKY-HIはNIKKEI STYLEのインタビューで、「THE FIRST」で自分がデビュー組に選定するメンバーは、独断と偏見で決める、と公言していた。それが可能なのは、自分がオーディションのために自ら1億円を出資しているからであり、他にも資金を出してくれる人がいたら、その人の意見も聞かなくてはならなくなる、とも述べていた。

つまり、SKY-HIには、この子は本当は気に入っていないけど、この子がいたらファンが沢山付きそうだからデビュー組に入れよう、というビジネスライクに割り切る発想はないようだ。

この姿勢は、デビューするグループがどこまで人気を獲得できるかについて不安を残す一方で、SKY-HIとデビュー・メンバーとの今後の長い付き合いでの関係性の観点からは、正しい選択なのだろう。

結局のところ、このオーディションから誕生するグループは、SKY-HIのプロデュースを受け、SKY-HIが代表を務める会社に所属するわけだから、SKY-HIとは絶対的な上下関係に置かれる。デビュー組のメンバーとしては、プロデューサーで社長のSKY-HIに気に入られることが、幸せなキャリアを築く上で不可欠だろう。

課題曲『Be Free』と『Move On』はデジタルランキングで上位にランクイン

第4次審査の第2ステージで使用されたプロ提供の課題曲「Be Free」と「Move On」は、配信リリースされ、商業的には好調な初動ダウンロード売上となっている。

「Be Free」は2021年6月28日に配信リリースされ、その日のオリコンのデイリーデジタル(単曲)ランキングで初登場1位、6月28日~7月4日の週(初週)の週間デジタル(単曲)ランキングで初登場9位だった。また、「Move On」は7月5日に配信リリースされ、その日の同ランキングで初登場3位だった。

オリコンのデジタルランキングでは、日本全体のダウンロード売上数の推計はなされないが、集計対象の8配信サービス(iTunes、LINE MUSIC、Amazon、レコチョクを含む)でのダウンロード売上数は、「Be Free」は初日が4,316DL、初週が7,908DLだった。一方、「Move On」は初日が4,645DLだった。

デビュー前から高いランキングが獲得できたことは素晴らしい。

ただし、楽曲制作者陣にSKY-HIも含まれているからSKY-HIのファンも購入したとみられることと、オーディション・オタクはデビューまでは熱心に応援するがその後数カ月で離脱する可能性もあることは、念頭に置いておくべきだろう。

問題は、ジャニーズと競合する日本人ボーイズグループにどれだけ露出機会があるか

せっかくオーディション過程で関心を寄せてくれた視聴者を、デビューグループの固定ファンとして取り込めるかどうかは、デビューメンバー、デビュー曲、売り方、テレビなど主要メディアにどれだけ露出できるか、などに影響される。

そもそも、いくら実力があっても、ジャニーズと競合する日本人ボーイズグループが忖度だらけの主要音楽番組に出演するのは非常に困難、という現状が変わるのだろうか、という素朴な疑問がある。Da-iCEですら、10年経ってようやく一部の地上波音楽番組に出演できているにすぎないのだ。

いや、厳密に言うと、Da-iCEはEXILEや三代目JSBなどと同様に、ボーカルとマイクを持たないダンサーの混合という形態のグループだったが(この分業形態もジャニーズ忖度だったのではないか、という見方もある)、SKY-HIが作るグループはジャニーズやK-POPボーイズグループ同様に、全員がマイクを持って歌って(もしくはラップして)踊るグループだ。

そもそも、AAAは男女混合グループだから、ジャニーズと競合しなかった。また、SKY-HIが有名なAAAのメンバーの日高光啓と聞けば、へえそうなんだと反応するが、ソロアーティスト・SKY-HIは知らない、という視聴者も多い。

さほど有名でもないSKY-HIが、自分が経験したことのないボーイズグループを作って成功を収めることだできるだろうか、と思う人がいても不思議はない。

一方で、「THE FIRST」の参加者よりもSKY-HIのほうがイケメン、と今なおSNSでつぶやく人もいる。SKY-HIの本意ではないだろうが、SKY-HIがもっと地上波テレビなどの主要メディアに露出することで、デビューするボーイズグループのPR効果を発揮することは、ある程度可能かもしれない。

たとえば吉本興業がマネジメントしているJO1のように、新参者が主要音楽番組に出演するのが容易でないと判断すると、バラエティー番組にメンバーをバラ売りで送り込んで知名度アップを図るという売り込み戦略を、SKY-HIも採るつもりがあるだろうか(事務所のキャスティング力やメンバーのトーク力の問題もあるが)?

ということで、SKY-HIとエイベックスがデビューするグループをどう売り込んで行くのか、主要音楽番組がどう対応するのか、注視して行きたい。もし大成功したら、SKY-HIは将来業界の偉い人、重鎮になれるだろう。

なお、実際のオーディション「THE FIRST」はとっくに終了して、デビュー組が決まっているとみられている。配信と「スッキリ」での放送は、随分引き延ばされているようだ。第4次審査の内容が斬新だから、今のところまだ興味を維持していられるが、あまりにも延々と引き延ばされれば、そのうち視聴者が飽きてくるリスクもある。


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*SKY-HIがプロデューサーを務めるボーイズグループ発掘・育成のサバイバル・オーディション「THE FIRST」の第4次審査のプロ提供の課題曲「Be Free」(by ソウタ、マナト、レオ、ルイ、ジュノン、レイコ)が2021年6月28日に、「Move On」(by リュウヘイ、リョウキ、シュント、ショウタ、ラン、テン)が7月5日に配信リリース。

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