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LE SSERAFIM『コーチェラ』生歌問題の炎上が歌唱力軽視の大企業・HYBE批判に飛び火―3つの教訓

2024年4月17日 2024年10月13日

（目次）・TOP
・『コーチェラ』でBLACKPINKは絶賛され、aespaは見劣りと言われ、ルセラは炎上←条件は同じでない
・K-POPアイドルグループの生歌唱問題―SM、JYP、YGは歌唱力重視、HYBEは重視しないと思われている
・HYBEガールズグループの歌唱力問題→歌唱力以外の強みで爆売れするから問題視しない
・結局は売れた者勝ち、それでも今回のルセラ炎上で分かった教訓が３つある

HYBEのSOURCE MUSIC所属の5人組ガールズグループ・LE SSERAFIMがアメリカ・カリフォルニア州で開催の世界最大級の音楽フェス「Coachella Valley Music and Arts Festival」（コーチェラ）に現地時間2024年4月13日（土）に初出演し、約40分間・10曲の生バンドでの単独ステージを繰り広げたが、迫力のダンス・パフォーマンスは良かったものの、一部メンバーの歌唱力不足が批判され、炎上する事態となった。

生歌での歌唱力不足が「コーチェラ」の音楽ファンに批判されたのは、ダンスメンバーのカズハとウンチェだった。YouTubeなどで、カズハが音程を外した部分の動画や、MR除去技術を使ってLE SSERAFIMの生歌唱の音声だけ抽出した動画が出回り、コメント欄に英語などで酷評が書き込まれた（「音程がすごく外れている (so off-key)」「K-POPにはもっと才能があるアーティストがいるのに、HYBEだから出演できた」など）。

「コーチェラ」の音楽ファンは、生歌での歌唱力が不足しているアーティストは「コーチェラ」という世界最高峰の音楽のステージには出演すべきではなかった、という論調だ。

しかし、問題の火の粉は今や、「コーチェラ」の音楽ファンから、K-POPファンや韓国メディアに飛び火し、批判の対象はLE SSERAFIMからHYBEに変わってきた。

生歌の歌唱力問題が韓国のテレビ（MBC）の番組を含むメディアにも取り上げられるようになると、韓国国民もしくはK-POPファンの誇りだった“K-POPの実力主義”が、歌唱力軽視の巨大企業と化したHYBEのせいで崩れてきた、との論調になってきた。

『コーチェラ』でBLACKPINKは絶賛され、aespaは見劣りと言われ、ルセラは炎上←条件は同じでない

これまで、K-POPガールズグループで「コーチェラ」に出演したのは、YGエンターテインメント所属の4人組BLACKPINKと、SMエンターテインメントの4人組aespaで、今回のHYBEのLE SSERAFIMは3組目だ。HYBEとしては、やっと今回自社のガールズグループにオファーが来たので、断るはずがないし、これを機会にLE SSERAFIMをアメリカで本格的に売り込むつもりだっただろう。

BLACKPINKは2019年の「コーチェラ」初出演で絶賛され、2023年の「コーチェラ」ではヘッドライナーに抜擢されて出演した。ただ、BLACKPINKとの比較は、LE SSERAFIMには酷だ。

BLACKPINKは2016年8月のデビューで、元々歌唱力が高かった上、デビューから3年弱の経験を積んでから、世界の大舞台「コーチェラ」に出演しており、「コーチェラ」のステージでのダンスは、LE SSERAFIMほど激しいものではなかった。

これに対し、LE SSERAFIMは2022年5月のデビューから2年弱での「コーチェラ」初出演になったが、メインダンサー格のカズハはバレエ出身で、デビュー前の練習生期間が僅か5カ月で、歌の十分なトレーニング期間もなかった。デビュー後はいきなり大人気で超多忙な日々となった。

LE SSERAFIMにはホ・ユンジンやキム・チェウォンのような歌唱力の高いメンバーもいるが、ダンスが売りのグループで、K-POPガールズグループとしては、おそらく最もダンスが激しく高難度だ。踊りながら生歌唱しづらい曲が多く、音楽番組では、完全口パクではないにせよ、かぶせ音源と併用で歌うことが既定路線にならざるをえない。

しかし、LE SSERAFIMは、初出演の「コーチェラ」で、生バンド演奏をバックに10曲の生歌唱に挑戦した。それが「コーチェラ」基準だと判断したからだろう。本番1週間前から現地入りし、沢山練習を重ねて臨んだが、結果的には、時期尚早だったかもしれないし、今の彼女たちのキャパシティーを超える無理な演出を強いてしまったのもしれない。

「コーチェラ」本番後に、サクラはWeverseへの投稿で「沢山のことを学びました」「誰かの目には、未熟かもしれない」「でも誰にとっても完璧な人なんていなくて」「私たちが見せてきたステージの中で、最高のステージだった」と述べている。

なお、SMの2020年11月デビューのaespaは2022年に「コーチェラ」に初出演した際に、BLACKPINKと比較されて、見劣りした、とネガティブな反応を呼んだ。しかし、今回のLE SSERAFIMの炎上をきっかけに、初めてaespaの「コーチェラ」のステージの映像を観た人たちの間では、決して悪くない、なぜ当時そんなに悪く言われたのか分からない、という意見も多い。

K-POPアイドルグループの生歌唱問題―SM、JYP、YGは歌唱力重視、HYBEは重視しないと思われている

K-POPの激しいダンスが売りのグループの中には、ダンスの完璧さを優先するため、音楽番組でのパフォーマンスを、生放送ではかぶせか完全口パクで済ませ、事前収録の音ズレ調整後のVTR使用を好むグループも少なくないようだ。ファンも文句は言わない。

このため、音楽番組でランキング1位になったアーティストの、番組最後の慣例の（ダンスなしの）生歌唱披露が、視聴者による歌唱力品評会と化している。実際、実力不足が露呈するケースもある。

しかし、K-POPの老舗の大手事務所は概して、歌唱力重視だ。JYPエンターテインメントの2022年デビューのガールズグループ・NMIXX（エンミックス）や、YGエンターテインメントから2023年11月に1人休止状態でデビューし、2024年4月1日に完全体で“正式”デビューしたガールズグループ・BABYMONSTERは、歌唱力が非常に高く、ダンスの実力もある。BABYMONSTERは分からないが、NMIXXは常に生歌唱しているとみられている。

結果的に、K-POP老舗大手3大事務所（SM、JYP、YG）は歌唱力重視だが、HYBEは歌唱力軽視で売上至上主義、という見方が広まりつつあるようだ。

HYBEガールズグループの歌唱力問題→歌唱力以外の強みで爆売れするから問題視しない

一口にHYBEと言っても、第三世代のBIGHIT MUSIC所属のBTSや、PLEDISエンターテインメント所属のSEVENTEENは、デビュー当時は中小事務所だったので、実力で這い上がったグループだ。

HYBEアーティストの歌唱力不足に関して、特に問題視されているのが、HYBEの近年デビューのガールズグループだ。つまり、SOURCE MUSIC所属のLE SSEARFIM、ADOR所属のNewJeans、そしてBELIFT LABからデビューしたばかりのILLIT（アイリット）だ。ILLITはデビューから僅か19日で音楽番組で早くも1位を獲得したが、1位アーティストの生歌唱では、慣れていないせいか、期待外れの印象になってしまったことは否めない。

HYBEのこれらのガールズグループ3組は、デビュー作から爆売れしている。LE SSERAFIMもNewJeansも、音盤はミリオンセールスを記録していて、NewJeansは米ビルボードのメイン・アルバムチャートのBillboard 200で1位を獲得した。両者とも日本で「NHK紅白歌合戦」に出場している。

ILLITのデビュー曲「Magnetic」は米ビルボードのメイン・シングルチャートのHot 100の91位にチャートインし、K-POP史上初めてのデビュー作のHot 100入りとなった。ILLITはデビューから1カ月未満で、日本の人気バラエティー番組「世界の果てまでイッテQ」に初出演して、女芸人・ガンバレルーヤと共にデビュー曲「Magnetic」を披露し、話題になった。HYBEの日本向けの巧みなプロモーションだった。

この3組は、他の大手事務所の近年デビューのガールズグループに比べて、歌唱力不足の感は否めない一方で、ビジュアル、ダンスに重きを置いたパフォーマンス、HYBE特有のコンセプト作り込み、優秀な楽曲プロデューサー陣、潤沢な資金とメディアへの影響力を活用した大々的プロモーションで、爆売れしている。

芸能界は、売れた者勝ちで、世界中からオファーが殺到し、メディアが忖度してくれるようになる。日本の旧来型の男性および女性アイドルたちも、特に歌唱力が高くなくても、大人気を維持できていた。

結局は売れた者勝ち、それでも今回のルセラ炎上で分かった教訓が３つある

LE SSERAFIMの「コーチェラ」での炎上をきかっけとして巻き起こった、K-POPアイドルの歌唱力問題の論議を見ると、韓国国民もしくはK-POPファンの誇りだったK-POPの“実力主義（歌唱力を含む）”が、儲け主義の大企業と化したHYBEのせいで崩れつつある、との怒りや危機意識の表れのように見える。HYBEは今や、K-POP事務所として以外のビジネスにも幅広く進出している大企業だ。

しかし、K-POPファンが推しに求めているのは、完璧な歌唱力というわけではない。これは、売上やファン数が歌唱力に比例しているわけではないことを見れば、明らかだ。日本でも韓国でもどの国でも、アイドルは、そして芸能人は、売れた者勝ちなのだから。

ただし、今回の騒動で分かったことが3つある。

第一に、「コーチェラ」に出て好評を得たければ、ダンスの実力よりも歌唱力のほうが重要だと考えるべきだ。

第二に、HYBEは老舗大手のSM・JYP・YGと比べて、歌唱力軽視・儲け主義の大企業だと思っている人が、少なからずいる。

第三に、何か問題が起きるごとにHYBEアンチが増えていくと思われるが、それでも人材と資金力のあるHYBEは動じないだろうし、HYBEアーティストとそのハイクオリティーの楽曲の人気が維持され、多くの主要メディアが剛腕・HYBEに忖度するようになる可能性が高い。

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LE SSERAFIMイベント情報

2024年
5/11(土) 18:00 「LE SSERAFIM FAN MEETING [FEARNADA] 2024/SS - SEOUL」@韓国・ソウルJAMSIL INDOOR STADIUM（蚕室体育館）（オンラインライブストリーミングあり）
5/12(日) 17:00 「LE SSERAFIM FAN MEETING [FEARNADA] 2024/SS - SEOUL」@韓国・ソウルJAMSIL INDOOR STADIUM（蚕室体育館）（オンラインライブストリーミングあり）
6/15(土)・16（日）「2024 Weverse Con Festival」@韓国・仁川インスパイア・エンターテインメント・リゾート（&TEAM, ENHYPEN, SEVENTEEN, LE SSERAFIM, BOYNEXTDOOR, TWS, ILLIT, THE NEW SIX, imaseらが出演）
6/29(土) 「LE SSERAFIM FAN MEETING ‘FEARNADA’ 2024 S/S - JAPAN」@兵庫・神戸ワールド記念ホール
6/30(日) 「LE SSERAFIM FAN MEETING ‘FEARNADA’ 2024 S/S - JAPAN」@兵庫・神戸ワールド記念ホール
7/6(土) 「LE SSERAFIM FAN MEETING ‘FEARNADA’ 2024 S/S - JAPAN」@愛知・ポートメッセなごや第1展示館
7/7(日) 「LE SSERAFIM FAN MEETING ‘FEARNADA’ 2024 S/S - JAPAN」@愛知・ポートメッセなごや第1展示館
7/13(土) 「LE SSERAFIM FAN MEETING ‘FEARNADA’ 2024 S/S - JAPAN」@神奈川・ぴあアリーナMM
7/14(日) 「LE SSERAFIM FAN MEETING ‘FEARNADA’ 2024 S/S - JAPAN」@神奈川・ぴあアリーナMM
7/15(月祝) 「LE SSERAFIM FAN MEETING ‘FEARNADA’ 2024 S/S - JAPAN」@神奈川・ぴあアリーナMM
7/30(火) 「LE SSERAFIM FAN MEETING ‘FEARNADA’ 2024 S/S - JAPAN」@福岡・マリンメッセ福岡A館
7/31(水) 「LE SSERAFIM FAN MEETING ‘FEARNADA’ 2024 S/S - JAPAN」@福岡・マリンメッセ福岡A館

商品情報（PR）

*LE SSERAFIMの2024年2月19日（月）18時韓国発売の3rdミニアルバム「EASY」は、“何一つ簡単ではないが、私たちが全てを簡単にしてみせる”という覚悟を込めたタイトル曲「EASY」をはじめとする全5曲を収録。CDパッケージは、104Pブックレット付きの一般盤がジャケットデザイン・封入物が異なる3形態で、コンパクト盤（COMPACT ver.）がメンバー別5形態で販売される。CDなしで専用アプリで再生するWeverse Albums ver.も2形態で販売。

*LE SSERAFIMの2023年8月23日（水）発売の日本2ndシングル「UNFORGIVEN」は、「UNFORGIVEN (feat. Nile Rodgers) -Japanese ver.-」「ANTIFRAGILE -Japanese ver.-」および日本オリジナル曲「ジュエリー (prod.imase)」の全3曲を収録。CDシングルは32Pフォトブック付き初回限定盤A、DVD付き初回限定盤B、CDのみの通常盤、32Pフォトブック付きLE SSERAFIM Weverse Shop JAPAN盤、CDのみのUNIVERSAL MUSIC SHOP盤、初回限定メンバーソロジャケット盤（5仕様）の計10形態で販売。全形態の初回生産分に応募抽選特典券（シリアルナンバー）」を封入。

初回限定盤AにはAIRY BLOOMコンセプトの32Pフォトブックが付き、同コンセプトのセルフィーユニットフォトカード全5種のうちランダム1種を封入。初回限定盤BのDVDには「UNFORGIVEN (feat. Nile Rodgers) -Japanese ver.-」のミュージックビデオ（MV）とMVおよびジャケット写真撮影のメイキング映像を収録し、SAVAGE NOIRコンセプトのセルフィーユニットフォトカード全5種のうちランダム1種を封入。通常盤初回プレス分にはAIRY BLOOMコンセプトのセルフィーユニットフォトカード全5種のうちランダム1種を封入。

LE SSERAFIM Weverse Shop JAPAN盤はSAVAGE NOIRおよびAIRY BLOOMコンセプトの32Pフォトブックが付き、折り込みポスター全5種のうちランダム1種、ホログラムセルフィーフォトカード全5種のうちランダム1種、メッセージカード全5種のうちランダム1種を封入。UNIVERSAL MUSIC STORE盤はSAVAGE NOIRコンセプトのアーティストビジュアルステッカー全5種のうちランダム1種と、SAVAGE NOIRコンセプトのセルフィーフォトカード全5種のうちランダム1種を封入。

初回限定メンバーソロジャケット盤にはCANDY PUNKコンセプトのアーティストビジュアルステッカー全5種のうちランダム1種と、各メンバー別セルフィーフォトカード全2種のうちランダム1種を封入。

ストアごとに異なる先着外付け特典が付く。LE SSERAFIM Weverse Shop JAPANでは4形態セット購入でアクリルキーホルダー、初回限定メンバーソロジャケット盤5形態セット購入でホログラム入りフォトカードコンプリート5枚セット、1形態購入でホログラム入りビジュアルカードが付く。UNIVERSAL MUSIC STOREでは4形態セット購入でアクリルキーホルダー、初回限定メンバーソロジャケット盤5形態セット購入でフォトカードコンプリート5枚セット、1形態購入でステッカーが付く。

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