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・衝撃①―大ヒット曲YOASOBI『アイドル』が優秀作品賞から外され、レコ大候補でない2賞を受賞の怪
・衝撃②―韓国人ガールズグループ・NewJeansの名曲『Ditto』が優秀作品賞に選ばれた
・おめでたいが驚いた―JO1のタイトル曲でない名曲「Trigger」が優秀作品賞に選ばれた
・新人賞―ボーイズグループからは、LDHのLIL LEAGUEが受賞
2023年12月30日(土)17:30~22:00にTBS系で生放送される「第65回 輝く!日本レコード大賞」の候補となる「優秀作品賞」10作品と、最優秀新人賞候補の「新人賞」4組が、11月22日0時に発表された。率直な感想を述べてみたい。
まず、レコード大賞の候補となる「優秀作品賞」10作品は以下の通りだ。
優秀作品賞(SONGS OF THE YEAR)
・新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」
・Mrs. GREEN APPLE「ケセラセラ
・緑黄色社会「サマータイムシンデレラ」
・Ado「唱」
・純烈「だって巡り合えたんだ」
・NewJeans「Ditto」
・JO1「Trigger」
・imase「NIGHT DANCER」
・市川由紀乃「花わずらい」
・BE:FIRST「Mainstream」
筆者個人的には、Mrs. GREEN APPLE「ケセラセラ」、Ado「唱」、BE: FIRSTの「Mainstream」、新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」あたりは、明らかに今年のヒット曲だから、納得だ。この中でレコード大賞の最有力候補は、Mrs. GREEN APPLE「ケセラセラ」のような気がするが、BE: FIRSTの「Mainstream」やAdo「唱」もあり得るのではないか。
レコード大賞も最優秀新人賞も、レーベルの影響力が大きいのではないか、という見方があるようだが、興ざめするので、そういう賞ならやめてもらいたい。選考理由の開示は必要だ。
衝撃①―大ヒット曲YOASOBI『アイドル』が優秀作品賞から外され、レコ大候補でない2賞を受賞の怪
まず、優秀作品賞に今年最大のヒット曲だったはずのYOASOBI「アイドル」が見当たらず、代わりにレコード大賞候補ではない「特別国際音楽賞」をYOASOBIとENHYPENが受賞し、作曲賞にYOASOBI「アイドル」を作曲したYOASOBIのAyaseが受賞した。
過去にも、YOASOBIの「夜に駆ける」が大ヒットした際にも、レコード大賞候補の「収集作品賞」から外れてしまい、その時はCDなしの配信のみだからかもしれない、と言われた。
しかし、今年の大ヒット曲YOASOBI「アイドル」はCDアルバム「THE BOOK 3」に収録されているし、今年の「優秀作品賞」受賞作品の中には、imaseの「NIGHT DANCER」のように配信のみの曲もある。レコード大賞はYOASOBIまたはAyaseが嫌いなのか?
衝撃②―韓国人ガールズグループ・NewJeansの名曲『Ditto』が優秀作品賞に選ばれた
同じくらい驚いたのは、韓国のガールズグループ・NewJeansの「Ditto」が選ばれたことだ。確かに名曲だし、筆者も大好きな曲だが、彼女たちはまだ日本デビューしておらず、そもそも海外アーティストがレコード大賞候補の「優秀作品賞」に選ばれるとは、驚きだ。
とはいえ、過去には台湾人のテレサ・テンが「空港」で第16回日本レコード大賞新人賞を受賞し、台湾出身のジュディ・オングが「魅せられて」で第21回レコード大賞を受賞していたので、外国人の受賞が禁止されているわけではないはずだ。
だが、NewJeansのように、日本デビューしてなくてもいいのか? だったら今後、K-POPの大ヒット曲が続々と「優秀作品賞」に選ばれる道が拓かれることになる(K-POPアーティストは日本でも、日本オリジナル曲より韓国発売曲のほうが人気が高い)。筆者はK-POPが大好きだから大歓迎だが、嫌韓の人たちを中心に、快く思わない人がいるだろう。
もっとも、アメリカの音楽賞も外国曲を排除していないので、レコ大も国際標準に合わせることにしたのか。レコ大の権威を上げて、外国のアーティストもこの賞を目指すようにしたいのか。
おめでたいが驚いた―JO1のタイトル曲でない名曲「Trigger」が優秀作品賞に選ばれた
その他で驚いたのは、JO1が「優秀新人賞」を受賞したのは、嬉しいしおめでたいのだが、受賞曲がシングルやアルバムのタイトル曲ではなく、「Trigger」だったことだ。この曲は確かに、今年JO1が発表した曲の中で、トップクラスに良い曲だと思うが、音楽番組で披露するタイトル曲ほどは、世の中に知られていない。それでも大丈夫なのか?
JO1の事務所のLAPONEさん、JO1のシングル「TROPICAL NIGHT」のタイトル曲は「Tiger」でなく「Trigger」にすべきだったかもしれないよ。名曲「Trigger」をもっと売り込んでいたら、もっとシングルも売れて、「Trigger」はそれこそレコード大賞が狙える、今年のトップクラスのヒット曲になっていたかもしれないよ。
新人賞―ボーイズグループからは、LDHのLIL LEAGUEが受賞
新人賞(NEW ARTISTS OF THE YEAR)
・木村徹二(演歌、鳥羽一郎の息子、日本クラウン)
・FRUITS ZIPPER(女性アイドルグループ、ASOBIMUSIC)
・僕が見たかった青空(女性アイドルグループ、秋元康プロデュース、avex)
・LIL LEAGUE(LDHの男性ダンス&ボーカルグループ、avex系rhythum zone)
近年の新人賞は、2021年にINIが受賞した時(最優秀新人賞はマカロニえんぴつ)もそうだったが、必ず演歌が1人はいて、ボーイズグループはいるとしても1組だけだ。今年は(正確には昨年末から)沢山のボーイズグループがデビューしたが、レコ大新人賞を勝ち獲ったのはLDH/ avex系の若いボーイズグループのLIL LEAGUEだった。
CD売上だけだったら、&TEAMのほうが多かったと思うが、LDHのグループは配信実績にも力を入れていて、Billboard JAPAN HOT 100でも上位に登場している。総合的なバランスで言うと、LIL LEAGUEが優位に立ったのかもしれない。
筆者は新人賞4組のうち、LIL LEAGUEしか知らなかったので、誰が最優秀新人賞を獲りそうかは、分からない。
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