J-POP

LDH明暗-RAMPAGE躍進!/ ガールズMOONCHILD (HYBE LABELS JAPANと共同)デビュー作苦戦

スポンサードリンク

(目次)・TOP
THE RAMPAGEはジャニーズのSexy Zoneと週間チャート1位を争い、惜敗するも売上は大幅増
ガールズグループMOONCHILDのデビューEP初週売上はかなり低調、同期LIL LEAGUEに遠く及ばず
MOONCHILDは無名状態→では露出が増えれば売り上げが大幅に増加するか?
オーディション番組がコケるとデビュー後どうなる?―VECTALLはデビュー51日で解散、PRIKILはファミリー売りで温存
HYBEの力で6月『2023 Weverse Con Festival』で世界にお披露目/ LDHはもっとMOONCHILDをゴリ推しすべきだが・・・

最近のLDHの明るい話題と明るくない話題を取り上げたい。

明るい話題では、中堅男性ダンス&ボーカルグループのTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEが2023年5月2日発売の最新シングル「16BOOSTERZ」で、前作比で大幅に売上を伸ばす躍進ぶりだった。

一方、明るくない話題としては、2023年5月3日にデビューした5人組ガールズグループ・MOONCHILDは、厳しい船出となった。このグループは、LHDとHYBE LABELS JAPANの共同プロデュースで誕生した(HYBE LABELS JAPANは主に楽曲面で協力)。

THE RAMPAGEはジャニーズのSexy Zoneと週間チャート1位を争い、惜敗するも売上は大幅増

THE RAMPAGE「16BOOSTERZ」の初週売上は、オリコンで19万5,126枚(週間2位)で、前作の2022年9・10・11月の3カ月連続リリースの目玉となった10月19日発売の「ツナゲキズナ」の14万6,257枚(週間2位)から大幅に増加した。ビルボード・ジャパンでも今作「16BOOSTERZ」は19万7,450枚(週間2位)で、「ツナゲキズナ」の14万2,364枚(週間2位)から大幅増だった。

今回は、惜敗したものの、ジャニーズのSexy Zoneとの激しい1位争いが話題になった。Sexy Zone「Cream」の初週売上はオリコンで21万4,629枚(ビルボード・ジャパンで22万7,372枚)だったが、土曜日時点での5日間の累計売上では「16BOOSTERZ」が18万3,231枚で、Sexy Zone「Cream」の17万3,989枚を上回っていた。土曜日にSexy Zone側がオンラインファンミーティングの特典を追加して、最終日の日曜に首位を奪還した。

THE RAMPAGEの快進撃は、最近メンバーのメディア露出が以前より増えて知名度が上がったこと、今作ではリリースイベント「Release Fan Meeting」の頻度が増えたこと、さらにSexy Zoneの売上が2日目に激減してデイリーでTHE RAMPAGEが首位に立てたことでファンの闘志が盛り上がったことが、背景にあった。

2023年5月1~7日の週の総合ソングチャートBillboard JAPAN HOT 100では、THE RAMPAGE「16BOOSTERZ」は2位、Sexy Zone「Cream」は5位だった。THE RAMPAGEの「16BOOSTERZ」の内訳は、CD売上とラジオ放送回数が2位、ストリーミングが45位、ダウンロード売上が86位、MV再生回数が圏外だった。Sexy Zone「Cream」の内訳は、CD売上が1位、ラジオ放送回数が10位、MV再生回数が55位だった。

ガールズグループMOONCHILDのデビューEP初週売上はかなり低調、同期LIL LEAGUEに遠く及ばず

一方、2023年5月3日にデビューした5人組ガールズグループ・MOONCHILDは、厳しい船出となった。

MOONCHILDは、LDH JAPANとHYBE LABELS JAPANが共同プロデュースしており、オーディション番組「iCON Z ~Dreams For Children~」で誕生した(7人合格したがその後2人が辞退)。HYBE LABELS JAPANは主に楽曲提供で協力しており、三代目JSBの登坂広臣が全面的にプロデュースを担当している。

MOONCHILDのデビューEP(ミニアルバム)「DELICIOUS POISON」の初週売上は、オリコンでは4,620枚で週間9位、ビルボード・ジャパンでは4,359枚で週間7位だった。このほか、デジタルアルバムがビルボード・ジャパンのダウンロード・アルバムで22位にランクインし、ビルボード・ジャパンの週間Hot Albumsで8位となった。

同じオーディション番組「iCON Z ~Dreams For Children~」で先に誕生した男性(少年と言うべきか?)6人組ダンス&ボーカルグループ・LIL LEAGUE from EXILE TRIBEの2023年1月11日発売のデビューシングル「Hunter」の初週売上は、オリコンで8万2,577枚(週間1位)、ビルボード・ジャパンで8万8,660枚(週間2位)だった。

ガールズグループ・MOONCHILDのデビューCDの初週売上は、シングルとEPの違いはあるものの、デビューが4カ月違いの実質同期のボーイズグループ・LIL LEAGUEの、1割にも届かなかった。なぜこうなったのか。

MOONCHILDは無名状態→では露出が増えれば売り上げが大幅に増加するか?

このオーディション番組の主たる視聴者は、LDHの先輩男性ダンス&ボーカルグループのファンが多かったとみられる。その中で、ガールズグループにも関心があって、しかもお金も落としてくれる人は、非常に少なかったのではないか。

MOONCHILDは歌やダンスの実力があり、MVなどから察するに、K-POPのガールズグループのイメージに近いと思われる。また、同じK-POP系ガールズグループでも、可愛さ炸裂の美少女グループ・PRIKIL(プリキル、後述)とは全く違う。

筆者の私見だが、MOONCHILDはややガールクラッシュ寄りで、強いて言えばavexの日韓合同プロジェクトのガールズグループ・XGに続け、という感じに見える。

ということは、MOONCHILDはデビューまでに、K-POPガールズグループを好む層にリーチしておくべきだった。しかし、そうした層でこのオーディション番組を観ていた人は、ほとんどいなかったようだ。また、このガールズグループ・オーディション自体、世間的にはほとんど話題になっていなかった。

また、オーディション後のデビュー準備期間中にも、世間的にはMOONCHILDはほとんど話題になっていなかった。視聴者の多い地上波テレビの番組に出演して、パフォーマンスを披露する機会もなかった。だから、デビューした今も、無名状態に近い。

では、LDHが彼女たちをゴリ押しして、情報番組やバラエティ番組も含め、猛烈に露出させていたら、売上はもっと大幅に増えていただろうか? LIL LEAGUEと肩を並べるほどまで増えるのは難しかったにせよ、ある程度は増えただろう。

ただ、率直に言って、登坂のプロデュース方針が全て正解だったかどうかは、分からない。

たとえば、5月10日23時の時点で、YouTubeのMOONCHILDチャンネルにデビュー日の5月3日に公開されたデビューEPのタイトル曲「Don’t Blow It!」のMVの再生回数は12万回だが、デビュー翌週の5月8日に公開された「Photogenic」のMVの再生回数は71万回を超えている。

これは、タイトル曲が選択ミスだったことを示しているのではないか。「Don’t Blow It!」のMVのほうがお金をかけてあるのは察しがつくが、筆者個人的には、このMVの中の彼女たちよりも、「Photogenic」のMVの彼女たちのほうが、断然魅力的に見える。正直、「Don’t Blow It!」のMVの前半のメンバーが、全く魅力的に見えない。あの映し方は最悪じゃないか?

「Photogenic」のMVだったら、日本のみならず世界のK-POPファンの中にも、関心を寄せてくれる人はいるのではないか。では、日本市場はさておき、世界にアピールしてみようか?

もちろん、世界は甘くない。「日本人がK-POPのマネゴトをしている」と思われたら、世界で売れるのは難しいだろう。

K-POPファンが彼女たちと比べるのは、日本国内ではNiziUと思われるが、韓国その他の国のK-POPファンからすれば、XGやITZYやLE SSERAFIMなどだ。XGは全員日本人のガールズグループだが「K-POPのマネゴト」などと揶揄される心配など皆無の、超実力派の凄いグループだ。

ガールクラッシュであろうがなかろうが、売れているK-POP系のガールズグループのメンバーたちは、実力とビジュアルを兼ね備えていて、しかも個性豊かですごく魅力的なのだ。

オーディション番組がコケるとデビュー後どうなる?―VECTALLはデビュー51日で解散、PRIKILはファミリー売りで温存

ところで、オーディション番組は沢山あるが、MOONCHILDを生んだオーディション番組のように、盛り上がらなかったオーディション番組で誕生したアイドルグループ(もしくはダンス&ボーカルグループ)は、その後どうなっただろう。

答えは、事務所の力次第だ。

悲劇の例は、デビュー後51日で解散したボーイズグループ・VECTALLだ。ABEMAで2021年末から放送されたオーディション番組「14ALL」で誕生したVECTALLは、2022年5月11日にデビューシングル「Break of Dawn」を発売したが、初週売上はビルボード・ジャパンで569枚で週間41位(オリコンは週間43位で、売上非公表)と、不発に終わった。

そして、VECTALLの最初のファンイベントで、デビューから51日後の6月30日の解散が発表された。おそらく、所属事務所のBlowout が弱小で体力がなかったから、赤字が膨らむ前の早期解散を決断したのだろう。

一方、事務所に体力があると、デビュー作がコケても、直ちに解散とはならず、挽回策を練ることになる。たとえば美少女5人組ガールズグループ・PRIKIL(プリキル)だ。

Huluで配信され地上波日本テレビの「シューイチ」で毎週紹介されたオーディション番組「Who is Princess?」で誕生したPRIKIL(プリキル)は、韓国の中堅FNCエンターテインメントの日本事務所・FNCエンターテインメント・ジャパンの所属で、2022年5月4日にデビューシングル「SOMEBODY」を発売し、デビューを果たした。

PRIKILのメンバーは練習生としてダンスと歌を磨いた実力者だが、日本の女性アイドル事情を考慮したのか、いかにもK-POPのガールクラッシュ路線はとらず、めっちゃ可愛い美少女グループが結成された。

しかし、PRIKILのデビューシングル「SOMEBODY」の初週売上は、ビルボード・ジャパンで2,179枚で週間14位にとどまった(オリコンは週間12位で売上非公表)。その後、公式サイトの更新がストップし、2作目のリリースは2023年5月10日現在、未発表だ。

それでも、FNCは韓国ではSF9やCN Blueなど、結構売れているグループを幾つも輩出していて体力はあるので、PRIKILが解散させられることはなかった。事務所が打って出た挽回策は、ファミリー売りだった。

2022年12月に幕張メッセ国際展示場9~10ホールで開催されたFNC所属アーティストらが多数出演した合同コンサート「2022 FNC KINGDOM - STAR STATION –」には、PRIKILも出演した。その合同コンサートのBlu-ray/DVD が2023年7月19日に発売される。

2023年3月12日には、公式ツイッターにユキノが「16歳になりました♡」などのツイートを、ケーキと一緒の写真とともに公開している。相変わらずの美少女ぶりだ。

ちなみに、HYBE LABELS JAPANのボーイズグループ・&TEAM(エンティーム)を輩出したオーディション番組「&AUDITION」も盛り上がらなかったが、オーディション直後からHYBEが剛腕ぶりを発揮して&TEAMをどんどんメディア露出させたことや、メンバーも魅力に溢れていることで、デビューEP「First Howling: ME」は週間チャート1位を獲得できた(ビルボード・ジャパンでの初週売上は16万5,431枚)。

HYBEの力で6月『2023 Weverse Con Festival』で世界にお披露目/ LDHはもっとMOONCHILDをゴリ推しすべきだが・・・

MOONCHILDの場合は、LDHという国内大手事務所の所属で、楽曲プロデュースに参加しているHYBE LABELS JAPANのHYBEは今や韓国最大手で世界展開している事務所なので、デビューEPの売上が芳しくなくても、今後しっかり売り込んでもらえるチャンスはいくらでもあるだろう。

実際、MOONCHILDは、6月10日(土)に韓国ソウルのKSPO DOME(オリンピック体操競技場)で初開催され、世界のK-POPファンが視聴する音楽フェス「2023 Weverse Con Festival」に出演する。いきなり世界の大舞台でお披露目だ(タイムテーブルは2023年5月10日付「&TEAMがセブン-イレブン韓国グルメフェア・ナビゲーター/『2023 Weverse Con Festival』タイムテーブル」を参照)。

ただ、外国企業はシビアなので、何とかデビュー1年以内にある程度の成果を出したいところだ。1年後も鳴かず飛ばずだと、HYBEは手を引くのではないか。もちろん、日本の大手事務所LDHが無為無策ということはなく、兄グループとのバーターも含めて、あれこれMOONCHILDを売り出そうとするだろう。

え、今はTHE RAMPAGEとかFANTASTICSをゴリ推ししたい? LIL LEAGUEに加え、今夏にまた新人ボーイズグループ3組がデビュー? グループ渋滞か。



スポンサードリンク
スポンサードリンク

-J-POP
-, , , , , , ,