藤井風『花』『Workin’ Hard』が『プロが選ぶ年間マイベスト10曲』選出・深堀り（関ジャム完全燃SHOW）

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・『花』―言葉とメロディーの組み合わせの妙
・『Workin’ Hard』―“頑張る歌”という難しいジャンルで今の時代らしい歌を作ることに成功
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2024年1月14日と21日に放送されたテレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」の恒例企画「プロが選ぶ年間マイベスト10曲」で、岡山県出身のR＆B系シンガーソングライター・藤井風（Fujii Kaze）の2023年10月13日リリースの「花」が川谷絵音の1位に、2023年8月25日リリースの「Workin’ Hard」がいしわたり淳治の6位に選出された。

選出の理由として、楽曲制作のプロがそれぞれの楽曲を深堀した解説が、とても興味深かった。

『花』―言葉とメロディーの組み合わせの妙

川谷絵音は「花」について、「2023年1番のポップソングです」と高い評価を示し、その理由を「シンプルな言葉しか使っていないのに、どんどん深くなっていく歌詞」とした。

具体的には歌詞の「しわしわに萎（しお）れた花束」の部分が「完全に藤井風構文」と述べた。

「いつも子供でも分かる擬態語や擬音語がお洒落なメロディーに乗っているが、藤井風だからできること。他の人がやれば、たちまちダサくなってしまう。針の穴を通すような言葉とメロディーの組合せの妙には、唸（うな）るしかありません」と絶賛した。川谷もソングライターであるからこそ気づくポイントなのだろう。

また、川谷は、心を惹かれた歌詞として「全ては溶けていく」の部分を挙げ、藤井風が公開した英訳詞で照合すると、「溶けていく」の意味は「melting」ではなく、「Everything comes together」つまり、全ては土に帰って行くとのことだ、と解説した。

さらに川谷は「探しにいくよ 内なる花を」の部分について、higher self、つまり3次元よりも上の次元から見守る自分自身に通じる意味合いがあるとして、「永遠の輝きは自分が持っているものだから、探しいこう」と促している、との解釈を述べた。

川谷自身は「この曲で救われた」と明かし、「救われた人、いっぱいいると思うんです」と述べた。川谷は自身の詳しい事情は明かさなかったが、楽曲の歌詞あるいは歌詞とメロディーの組み合わせで、聴いている人の苦しみや悲しみが和らいだり、元気になれたりすることはよくある。それが詞や音楽の力であり、クリエイターやアーティストの仕事のやりがいにもなるのだろう。

ちなみに、楽曲「花」のプロデューサーには、宇多田ヒカルの「One Last Kiss」などの制作に参加した、イギリスのプロデューサーのA.G.Cookが起用されていた。一方、スタジオの蔦谷好位置は「花」について「80年代の歌謡曲っぽい」との感想を述べていた。
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