（目次）・TOP
・なぜ今声明文―日本人グループがK-POPシステムを利用して世界進出するのを快く思わない人もいる？
・K-POPなのかJ-POPなのか？―国地域・言語に縛られずに全世界に音楽とパフォーマンスを届けたい
・なぜ韓国語詞曲にしない？―世界で最も多く用いられている英語を基本としたい
・韓国の音楽・文化を愛しているが、国籍に関係なくアジア・ヒップホップ・ガールズグループとして世界で活躍したい
・商品情報
エイベックスが選抜した日本人7人で結成され、エイベックスが出資した日韓プロジェクトとして現在韓国の事務所・XGALXを拠点に活動しているガールズグループ・XGの総合プロデューサーである日韓ハーフのサイモン（Simon Jakops）が2023年1月29日に、自身のインスタグラムに投稿した韓国語でのXGについての声明文から、韓国拠点の全員日本人のグループという立場の難しさもうかがえて、話題になっている。
なぜ今声明文―日本人グループがK-POPシステムを利用して世界進出するのを快く思わない人もいる？
筆者の個人的な印象だが、今回このような韓国語のみでの声明文を出したのは、日本企業（エイベックス）が資本を拠出した全員日本人のガールズグループ・XGが韓国を活動拠点とし、K-POPのシステムを利用して、英語詞の楽曲を世界に発信していることに対して、韓国内で批判的な人もいるからだろう、と推察される。
もっとも、K-POPファンはアーティストの国籍や楽曲の言語に関わらず、音楽やパフォーマンスのクオリティーが高ければ好意的に評価してくれる人が多い。したがって、韓国内でXGに批判的な人たちというのは概ね、K-POPファンでない人たち、と考えられる。
そもそも、なぜ全員日本人のグループ・XGが、日本拠点でなく韓国拠点で活動しているかについては、察しがつく。現状、日本で活動するよりも、韓国を拠点にしてK-POPのシステムを利用したほうが、手っ取り早く世界に進出できるからだろう。
XGのように才能豊かなグループであっても、たとえば、今の日本で音楽番組（それ自体少ない）に出演しても、韓国の番組のようにパフォーマンス映像が放送直後にYouTubeで全世界に公開されることはない。
また、XGが参加しているWeverseのように、自動翻訳機能付きで世界中のファンとコミュニケーションできて、全世界への物販なども可能なプラットフォームも、日本にはまだない。
おそらく韓国でXGに批判的な人たちにとっては、日本の会社が全員日本人のグループを韓国に送り込み、韓国の先進的システムを利用して、手っ取り早くグローバル進出を実現したいとの思惑が透けて見えるようで、面白くないのだろう。
今回のサイモンの声明文は、こうした批判への誠意ある対応だと筆者には思えた。裏を返せば、ここでこうした声明文を出さざるをえないほど、危機感を抱いているのかもしれない。大事なのは、XGを受け入れてくれているK-POP業界へのリスペクトだろう。
今回の声明文は、グローバルのファンによって英語や日本語に訳されて拡散されているが、筆者はまずGoogle自動翻訳での日本語訳を見てから、ファンの翻訳も参照しながら、自分なりに内容を理解するよう試みた。以下にポイントをまとめてみた。
K-POPなのかJ-POPなのか？―国地域・言語に縛られずに全世界に音楽とパフォーマンスを届けたい
XGがK-POPなのかJ-POPなのかという問いに対して、サイモンの答えはこうだ。XGは全員日本人だが、国地域・言語に縛られず、世界中の人たちにXGの音楽とパフォーマンスを届けたいと考えている。また、韓国での活動を大切にしつつ、韓国を含む全世界にプラスの影響を及ぼすことができるアーティスト・XG、そしてその事務所・XGALXになりたい。
この答えに先立ち、サイモンは自身が米国生まれの日韓ハーフで、K-POPでアーティストとプロデューとしての経験があり、新たな方法で韓国と日本でXGを育成し作り上げ、その過程で韓国、日本、アメリカ、中国などさまざまな国籍のスタッフがプロジェクトに参加している、と述べている。
なぜ韓国語詞曲にしない？―世界で最も多く用いられている英語を基本としたい
韓国で活動しているのになぜ韓国語歌詞を書かないのかとの問いに、サイモンはこう答えている。グローバル市場にXGの音楽を届けたいから、世界で最も多用されている言語である英語を基本として、自分たちの音楽のメッセージを伝えている。一方で、各種コンテンツでは韓国語曲や韓国語でも、ファンとのコミュニケーションをとっているし、多様な言語でのファン向けのコンテンツを準備している。
韓国の音楽・文化を愛しているが、国籍に関係なくアジア・ヒップホップ・ガールズグループとして世界で活躍したい
XGと事務所・XGALXは、国籍に関係なくさまざまな国・文化を尊重し、XGだけの音楽・カラーを良質なコンテンツで世界に届けられるように尽力している。K-POPにロールモデルやライバルを意識していないし、第三者（韓国の大手事務所のことか？）のブランディングを利用していない。
謙虚に賢明に、常に低い姿勢で最善を尽くすことを大切に考え、「Create Bold Cultures!」（大担なカルチャーを作ろう！）というスローガンを掲げ、世界中の人たちやカルチャーに良い影響力を及ぼしたいと考えている。
XGは文化的多様性とグローバルな感性を備え、真に音楽を愛するアーティストだ。XGのメンバーは練習生時代から何度も韓国を訪れ、現在も韓国で暮らしていて韓国の音楽と文化を沢山学んで愛している。XGはアジア・ヒップホップ・ガールズグループとして世界で活躍できるように飛躍したいと考えている。
頑張れXG、頑張れサイモン！
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商品情報
*XGの2023年1月25日（水）リリースの3rdシングル「SHOOTING STAR」は、デジタルおよびCD BOX（パッケージ）で販売。収録曲はヒップホップ・R＆Bジャンルのタイトル曲「SHOOTING STAR」と「LEFT RIGHT」の2曲。CD BOXはWeverseのXG Global Shopで予約販売していて、日本への発送予定日は2023年1月30日～2月6日。
Amazon: SHOOTING STAR [デジタルアルバム] (XG) 2023/1/25
Apple Music/ iTunes: SHOOTING STAR - Single (XG) 2023/1/25
レコチョク: SHOOTING STAR (XG) 2023/1/25
Apple Music
*XGの2ndシングル「MASCARA」が2022年6月29日リリース。CD BOX（パッケージ）は数量限定で、28Pフォトブック、ロゴステッカー、トレーディングカード（7種から1種ランダム）を封入して、XG Weverse Shopで販売。
Amazon: MASCARA [デジタルミュージック配信] (XG) 2022/6/29
Apple Music/ iTunes: MASCARA - Single (XG) 2022/6/29
レコチョク: MASCARA (XG) 2022/6/29
Apple Music
*XGALX所属の日本人ガールズグループ・XGのデビューシングル「Tippy Toes」が2022年3月18日（金）リリース。CD BOX（パッケージ）は数量限定で、フォトブック、ロゴステッカーを封入して、XG Weverse Shopで販売。
Amazon: Tippy Toes [デジタルミュージック配信] (XG) 2022/3/18
Apple Music/ iTunes Tippy Toes - Single (XG) 2022/3/18
レコチョク: Tippy Toes (XG) 2022/3/18
Apple Music
XGの記事:
2023年1月27日 付 LE SSERAFIM『FEARLESS』ビルボード2日間で19.5万枚/ XGが3rdシングル『SHOOTING STAR』リリース
2022年7月25日付 日本人ガールズグループXGが『スッキリ』にインタビュー出演、ワールドツアーをやりたい
2022年7月19日付 XGをavex黒岩社長が語る/ 韓国式育成、理想は韓米の良い面採り入れ日本オリジナル/ 日本が韓国に後れた理由
2022年7月13日付 XGを『スッキリ』が取り上げる/ NiziU『CLAP CLAP』MV―新境地で過去一いい曲
2022年7月4日付 日本人ガールズグループXGが韓国地上波音楽番組でも大絶賛の快挙、でもavex松浦会長の発言で物議に
2022年6月30日付 日本人ガールズグループXGが6月30日韓国『M COUNTDOWN』出演決定/ LE SSERAFIM/ Kep1er