宇多田ヒカルが「MステウルトラFES」で貴重な特別対談と歌披露

2018年9月19日

2018年9月17日のテレビ朝日系「MUSIC STATION ウルトラフェス」に、宇多田ヒカルが収録映像で出演した。トークも歌も貴重で素晴らしかった。

実際には先にステージ・パフォーマンスを収録したそうだが、オンエアでは先にMCのタモリとの特別対談があって、その後「誓い」の歌唱パフォーマンス映像が流れた。

大物アーティストなのに飾らず茶目っ気あるトーク

特別対談では、宇多田が昔Mステに出演した際のVTRが幾つか紹介され、宇多田は予め告げられていたとはいえ、しきりに照れたり困惑したりしていた。

最初に、宇多田が16歳でMステに初出演した1996年6月18日の映像が流れた。VTRの中で、初々しい宇多田は曲を作る場所について問われ、「主に夜中に…」と切り出して、日本の家は「壁が薄い」と言い出し、近所迷惑にならないように「布団かぶって中で（音楽を）かけて。ちっちゃな音でコソコソ録音」と話していた。

対談でタモリが宇多田に初出演の時の記憶を尋ねると、宇多田は「階段で滑ったのを、それは映像とか写真で見るんで、覚えてるんですけど」と答えた。

また、今も布団の中で曲を作っているか尋ねられると、宇多田は「昨日もホテルの部屋でちょっと発声練習したくて、布団かぶって（笑）。隣に聞こえちゃったかなと思って」と話した。

超大物アーティストなのに飾らない話し方で、茶目っ気のあるエピソードを明かすところが、宇多田の魅力の一つだ。

さらに宇多田は、「今も家か、バスか、歩いてるか、カフェ。あと水回り。今回のアルバムでお風呂に浸かってる時に、iPhoneを湯船の端っこに置いて、音を出してると、結構『あっ！』っていうのがありました」と語った。

幼い息子とスキップ

次に、2005年11月11日の出演時の映像が流れた。その当時、宇多田は「外歩いている時に、テンションが今日はイマイチだなと思ったら、スキップして、すごい元気になる」と話していた。

現在の宇多田はタモリにスキップしているんですかと問われると、「子供と遊んでて、結構してる」と笑った。子供のことを公の場で話してもらえるとは意外だった。幼い息子と一緒にスキップしている宇多田の姿を想像する機会を得たファンには、貴重な発言となった。

この日のMステ特番のテーマはダンスだった。宇多田はダンスについて、「1年ぐらい前に初めてビデオでやりました」とのエピソードを話し始めた。画面には「Forevermore」（2017年）のPVが映った。

「ダンスっていうか、体操選手の動きみたいで、ダンス・ダンスって感じに結局ならなかった。運動する人って感じになっちゃったんですけど。でも、すごい楽しかったです。身体使って表現するってのが。何でダンスがテーマなんですか？」

この発言だけ聞くと宇多田はダンスが苦手というイメージが広まりそうだが、そもそも「Forevermore」はダンスミュージックではない。ビートは効いているが、主題歌起用されたドラマ「ごめん、愛してる」の重い内容に沿った寂寥感や諦念のイメージのある曲で、ダンスで表現するとなると創作ダンスみたいに難しいのではないだろうか。

この宇多田からの質問にタモリは「音楽の4要素の中に入ってる」「ハーモニーとか、メロディーとか、リズムとかあって。それが音楽3要素ってやつ。プラス、ステップ。今はもうダンス。ダンス部が活躍してるし、高校なんかの。レベルも高いし」と説明した。

これに宇多田は「いいですね。ただの運動より、音楽のインプットもあるし」と述べていた。

本番で歌詞が飛んでやり直しに恐縮

このトークの前に済ませた歌唱パフォーマンスの収録について、宇多田は本番で歌詞が出なくてNGになったことを明かした。

「久ぶりで、テレビの仕事で歌うのが。緊張しちゃったんですけど。それより1回目、歌詞が飛んじゃって、失敗しちゃったんですね、本番。そしたら、後ろの紙の吹雪みたいな、沢山舞ってたんですよ。失敗した時にスタッフのみなさんが、ああまたかよって感じで、集めてくださってるのが、すごい申し訳なくて（笑）。私が勝手にそう感じちゃったんですけど。すごい量で、もう失敗できないなって思って。2回目頑張りました」