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・『2025 Show!音楽中心 in Japan』の出演者は豪華だが…
・なぜ酷暑のベルーナドームで開催なのか←2024年8月のベルーナドームの高額チケット合同コンは中止
・春の『2025 SBS 人気歌謡 UNICON in 東京ドーム』は空席祭り
・K-POPブームが下り坂、K-POPはお金がかかるとの不満が表面化→よりコスパ重視に
韓国MBCの音楽番組「Show! 音楽中心」(ウマチュン)の収録の日本公演「2025 Show!音楽中心 in Japan」が、2025年7月5日(土)・6日(日)に埼玉県のベルーナドームで開催されることが決定し、チケットの2day(2日通し券)から先着先行販売が始まった。
出演アーティストのラインナップがaespa、TOMORROW X TOGETHER、INI、NiziU、NEXZ、NCT WISHなど豪華なので、普通に考えたら集客は容易と思われる。
ただ、酷暑のベルーナドームでのライブに二の足を踏む人もいる上、最近K-POPファンは高額チケットのコスパを重視するようになっているので、一抹の不安はある。
『2025 Show!音楽中心 in Japan』の出演者は豪華だが…
韓国MBCの音楽番組「Show! 音楽中心」(ウマチュン)の公開収録の日本公演「2025 Show!音楽中心 in Japan」が、2025年7月5日(土)・6日(日)のそれぞれ17:30開演予定で、埼玉県のベルーナドーム(西武ドーム)で開催されることが決定した。
4月26日時点で判明している出演者ラインナップは、以下のように豪華だ。
aespa、Hearts2Hearts、NCT WISH、TAEMIN、TOMORROW X TOGETHER(TXT)、ILLIT、NiziU、NEXZ、IVE、KiiiKiii、INI、izna、n.SSign
チケット料金は、2day(2日通し券)が税込3万1,600円、後日販売開始の1day(1日券)が1万5,800円で、いずれもアップグレードチケットの販売も予定されている。
2日通し券を先行期間中(5月25日(日)23:59まで)に購入した人から抽選で各日100名が、終演後のILLIT/ KiiiKiii/ NEXZ/ n.SSignのお見送り会(日程は後日発表)に招待される特典がある。また、TXTなど(後日発表)の公開リハーサルへの抽選招待の特典もある。
なぜ酷暑のベルーナドームで開催なのか←2024年8月のベルーナドームの高額チケット合同コンは中止
ただ、この公演の出演アーティストは申し分ないものの、集客には不安要素もある。まず、7月5日(土)6日(日)という酷暑の時期に、夏の“灼熱地獄”で敬遠されがちのベルーナドームで、公演が開催されることだ。
思い出すのは、2024年8月10日(土)・11日(日)にベルーナドームで開催される予定だったが、延期が発表され、結局全額払い戻しとなった「DREAM CONCERT WORLD IN JAPAN 2024」だ。
出演が予定されていたアーティストには、NewJeans、NCT WISH、EXOシウミンら、人気K-POPアイドルもいた。
チケット代金は、VIP席が特典付きで2万9,700円、S席が特典付きで2万2,000円、A席が1万8,700円だった。チケット代がかなり高く、しかも盛夏の灼熱地獄のベルーナドームだったから、敬遠されてしまった。
春の『2025 SBS 人気歌謡 UNICON in 東京ドーム』は空席祭り
最近のK-POPの人気音楽番組の日本公演と言えば、4月12日(土)・13日(日)に東京ドームで開催され、スタンドがほぼ空席、アリーナもスペースが目立って衝撃だった「2025 SBS 人気歌謡 UNICON in 東京ドーム」(2025 SBS INKIGAYO UNICON in TOKYO DOME)を思い出す。
出演アーティストはaespa、NCT DREAM、MARK、KAI、ATEEZ、ZEROBASEONE、ILLIT、TWS、NMIXX、TAEYANG、iznaなど、人気K-POPアイドルたちが名を連ねていた。
チケット代金は、一般指定席が税込1万9,500円、スタンド後方席が税込1万2,900円だった。
良席を望まないなら、出演する人気グループの単独公演とあまり変わらない価格で、気候問題もなかったので、なぜ空席祭りになったかを考える、良い機会となった。
K-POPブームが下り坂、K-POPはお金がかかるとの不満が表面化→よりコスパ重視に
筆者は以前より、日本におけるK-POPブームは2023年がピークでその後は緩やかな下り坂だと思っている(2025年2月19日付「日本のK-POPブームも2023年がピーク、その後は緩やかな下降ないし停滞局面―理由考察」を参照)。
日本のK-POPファンがいなくなるわけではないが、厳しく選別するようになると思われる。
ブームが下り坂となった理由の1つは、K-POP推し活が国内の似たようなアーティストの推し活に比べて、お金がかかりすぎることだ。
K-POPの場合は、運営からのグッズ攻勢などの“集金”の頻度も高いが、ライブのチケット代も高めだ。このため、日本人がカモにされていると指摘されがちだ。
最近話題になったのが、国内の大人気アイドルのSnow Manの国立競技場ライブだ。日本最大のスタジアムでの公演だが、嵐の松本潤が監修したステージ演出は、どんな席のファンも平等に楽しめる、神設営・神構成だった。
さまざまな装置も充実していたが、さらにファンが感激したのは、花道の多さだった。
大規模会場でのライブでよくあるパターンは、メインステージとセンターステージをつなぐ花道があり、アリーナ席の外周にトロッコ(フロート)で場内を回るための通路が設けられている、というものだ。
これに対して、Snow Manの国立競技場ライブの場合は、センターステージはもちろんあるが、田の字型に近い花道というか、広大なアリーナの外周に近いところで一周できる花道も設けられていた。
つまり、どんな席でも、メンバーが近くまで来てパフォーマンスをしてくれて、楽しめるステージ構成で、しかもチケット代金はファンクラブ会員でもたった9,700円均一と、良心的だ。
それに引き換え、最近のK-POP人気アイドルグループの単独ドーム公演のチケット代は、スタンド席でも1万5,000円超えは当たり前だ。最高峰のBTSのj-hopeは1万8,800円で、アップグレードVVIPチケットは3万9,800円だ。
ドーム公演を観に行っても、ステージから遠い席だと、ステージ上の推しは豆粒の小ささで、終盤にトロッコ(フロート)で1回だけ近くを通り過ぎただけで、2時間半から3時間のライブのほとんどが、スクリーンの映像だけ観て終わることになる。
これでは、高いチケット代に見合う満足度は得にくい。こうして、コスパ(費用対効果)が問題になってくる。
合同コンサートになると、チケット代がさらに高くなる一方で、自分の目当ての推しの出演時間は短い。出演する沢山のグループを推している雑食ファンでない限り、コスパが悪すぎる。
そうでなくても、2022年2月のウクライナ戦争をきっかけに、さまざまな物価が上がり続けているが、収入はそれに見合うだけ増えていないから、推し活に使えるお金の余裕は減っている。
「2025 SBS 人気歌謡 UNICON in 東京ドーム」のスタンド席が“コスパが見合わない”との理由で空席祭りになった現実を考えると、同程度のチケット代で、出演者は豪華だが酷暑のベルーナドームで開催の「2025 Show!音楽中心 in Japan」の、チケットの売れ行きが懸念される。
それにしても、そろそろK-POP勢など、海外アーティストの運営は、日本の猛暑の過酷さを、来日公演を計画する際の基本中の基本として、知っておくべきだ。
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