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『A2K』#16―Melissa辞退/ 韓国合宿個人ステージ評価でKaylee躍進、Kendallは絶賛/ JYPは態度重視

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メリサ(Melissa)が個人的理由で辞退
J.Y.Parkはスキルより態度を重視。これがJYPの特徴であり、J.Y.Parkの哲学
個人パフォーマンス評価が始まる
ケイリー(Kaylee)―ナヨンの『POP!』を披露、安定した歌唱力が褒められ、キューブ獲得
ケンダル(Kendall)―ソンミ(Sunmi)の『24 hours』を披露し、絶賛される

K-POPのJYPエンターテインメントの米国拠点のガールズグループ発掘のためのオーディション番組「A2K」の第16話(ep.16)「LA Boot Camp Rankings」が、2023年9月1日(金)10時に、YouTubeのJYP Entertainmentチャンネルに公開された。

YouTubeのJYP Entertainmentチャンネルに公開された A2K ep.16 "Korean Boot Camp Begins"(44分4秒)

以下、ネタバレに留意されたい。

今回は、米国ロサンゼルス合宿で韓国合宿進出メンバーに選ばれた10人のうち、辞退したメリサ(Melissa)を除く9人が、韓国に来て合宿をスタートし、最初のミッションの個人パフォーマンス審査が始まったところまでが描かれた。

最年少・ケイリー(Kaylee、13)は成長ぶりを発揮し、当初から有力デビュー候補とみられていたケンダル(Kendall、16)は大人びた演技力の圧巻のステージで絶賛された。

なお、「A2K」が、9月20日(水)・21日(木)の2回の特集として公開されるフィナーレ(最終回)をもって終了する、との告知があった。

メリサ(Melissa)が個人的理由で辞退

まず最初に驚いたのは、LA合宿から半年を経て始まった韓国合宿に、はるばるアメリカ大陸からやって来たのが、LA合宿で残留した10人全員でなく、メリサ(Melissa)が個人的な理由で辞退して9人になったことだった

韓国合宿初日の映像に、2023年4月17日の日付があった。LA合宿から半年の間に、メリサ(Melissa)に何があったのかは、明らかにされなかった。

それでも、メリサ(Melissa)がVTRで登場して「幾つもの眠れない夜を過ごして、難しい選択をするに至りました」と述べて、メンバーを激励したから、JYPと円満な関係を保ちながらの辞退だったようだ。筆者個人的には、メリサ(Melissa)はいつか実力派歌手として、アメリカの音楽界に現れるだろうと期待している。

韓国合宿開始時点の参加者の9人の年齢が映ったが、最年長のユナ(Yuna)が18歳で、最年少は韓国系アメリカ人とみられるケイリー(Kaylee)の13歳だ。白人の子たちは大人びて見えるが、まだケンダル(Kendall)は16歳、KGは15歳、落ち着いた感じに見えるジナ(Gina)に至ってはまだ13歳、という若さなのに驚いた。

図表1 LA合宿(LA Boot Camp)最終ランキング

1位 カミラ(Camila、17)
2位 ジナ(Gina、13)
3位 クリスティーナ(Cristina、17)
4位 サヴァンナ(Savanna、16)
5位 ケンダル(Kendall、16)
6位 レクサス(Lexus、17)
7位 ケイリー(Kaylee、13)
8位 KG(15)
9位 メリサ(Melissa)→辞退
10位 ユナ(Yuna、18)
脱落:  ミーシャ(Mischa)

J.Y.Parkはスキルより態度を重視。これがJYPの特徴であり、J.Y.Parkの哲学

J.Y.Park(パク・ジニョン)は「A2K」を、自分のキャリアの中で最もチャレンジングなプロジェクト、と述べていた。韓国や日本だったら、これまでもオーディション番組を経てデビューさせて大成功したグループがいる。しかし、米国市場で新人をオーディション番組で発掘してデビューさせ、売り込んだ経験はない。

韓国合宿の初日に、J.Y.Parkは9人の参加者たちに、3カ月の韓国合宿で、JYPという会社の代表としてのアーティスト、としてデビューするにふさわしいかどうかを評価(審査)する、と告げた。3つのミッションでの評価(審査)があり、その都度発表される順位が2回最下位になると脱落させられる。

1つの評価ごとに、合格すると新たなキューブが授与され、3つの評価に加え、4つ目の評価項目として態度が審査される。

J.Y.Parkは、周りの人(参加者、スタッフ、トレーナーなど)に対する態度は、歌やダンスのスキルよりも重要だ、と明言した。

NiziUを生んだ「Niji Project」で言っていたのと同様に、J.Y.Parkは参加者たちに、Honesty(正直)、Diligence(誠実さ)、Humility(謙遜)という3つの態度を身に着けるよう、要請した。特に、“正直”という資質については、カメラに映っているか否かにかかわらず、裏表のない人間であるべき、と述べた。また、自分よりもチームを優先させるよう、要請した。

所属アーティストの“態度”重視は、韓国の大手事務所の中でも、JYPの大きな特徴の1つとなっている。たとえば、アーティスト個人の不祥事に際しては、他の事務所よりもJYPは厳しく対処し、スピーディーに謝罪や一時的な活動停止を発表したり、場合によっては(対外的には「個人的理由」とだけ公表して)契約解除などの重い処罰を受けさせている印象だ。

J.Y.Parkは、自身が長きにわたってアーティスト活動を続けてきたことに触れ、どれだけ高い人気を得るかよりも、どれだけ長くこの仕事が続けられるかが重要だ、との考えを示した。これがJYPの所属アーティストに対する考え方、哲学なのだろう。

「餅ゴリ」と揶揄されるJ.Y.Parkが事実上のワンマンPD兼経営者としてJYPの全てを仕切っているが、それでもJ.Y.Parkの考え方・哲学は広く支持されており、J.Y.Parkという人物が広くリスペクトされ、魅力が認められ、好かれていることは間違いない。

個人パフォーマンス評価が始まる

各参加者たちは、それぞれ自分が1人でパフォーマンスを披露する楽曲を選び、ボーカルトレーやダンストレーナーの指導を受けて、ステージ衣装を着て、J.Y.Parkの前でパフォーマンスを披露して、評価を受けた。

アメリカ大陸からはるばる韓国に来た少女たちのために、J.Y.Parkはソウルの街が一望できる、ソウルで一番高いビルの高層階のスタジオに特設ステージを設けた。

今回は、9人のうち、最初のケイリー(Kaylee)とケンダル(Kendall)の、パフォーマンス評価の模様が公開された。

ケイリー(Kaylee)―ナヨンの『POP!』を披露、安定した歌唱力が褒められ、キューブ獲得

最年少のケイリー(Kaylee)は、TWICEのナヨン(NAYEON)の「POP!」のパフォーマンスを披露した。元々ケイリー(Kaylee)は、13歳にしてダンスしながら安定した歌唱力を維持できる子だったが、今回は表現力の向上を認めてもらおうと、懸命に練習して臨んだ。

J.Y.Parkは「もっと楽しむべきだ。ぎこちなさそうで、観ていて楽しめなかった」とのネガティブなコメントから始めたが、「問題点はそれだけで、それ以外は素晴らしかった」「激しく踊りながらも安定的に歌えていた。裏声でなく地声で高音が出せていた」と褒め、キューブを授与した。

筆者はケイリー(Kaylee)が子供っぽく見えてグループと調和しないことを、危惧している。それでも、これだけパフォーマンス力が向上しているし、唯一韓国人あるいはアジア人ぽく見える顔立ちの(韓国系アメリカ人とみられる)メンバーだから、ケイリー(Kaylee)のデビューの可能性は、LA合宿の時よりも上がっている気がする。

ケンダル(Kendall)―ソンミ(Sunmi)の『24 hours』を披露し、絶賛される

この「A2K」オーディションの最初から、有力デビュー候補とみられてきたケンダル(Kendall)は、K-POPアイドル風のキュートなビジュアルが魅力だが、個人パフォーマンスには異色の楽曲を選んだ。

今回ケンダル(Kendall)が、弱冠16歳にして選んだ曲は、元Wonder Girlsソンミ(Sunmi)の21歳でのソロデビュー曲「24 hours」(2013年)で、初めての恋にのめり込んで怖さと魅力にとりつかれる女性の激情をセクシーなダンスとともに表現した作品だった。

ケンダル(Kendall)は当初、ボーカルトレーナーの個人レッスンで韓国語の発音に苦戦していたが、何とか克服した。アレルギー持ちで、喉を痛めやすいので、余計な声を出さないよう、気を遣っていた。

ケンダル(Kendall)は、評価ステージ本番では、黒い肩ストラップのミニドレスの衣装を着て、キュートでセクシーなダンスを豊かな感情表現で見事に展開し、歌唱も安定していた。

パフォーマンスが終わると、J.Y.Parkは開口一番、「パフォーマンスを始めるに当たって、私から素晴らしい評価がもらえると思っていましたか? それとも緊張していましたか?」と質問した。ケンダル(Kendall)は「何を言われるか分からないので、少し緊張していました」と答えた。

するとJ.Y.Parkは、「良い評価がもらえる自信があるかのようなパフォーマンスだった。『私は特別だと分かっているし、あなたも私が特別と分かっている。私が特別だと言いなさい』と言いたげな雰囲気だった。歌とダンスに2、3の技術的な指摘点はあるが、もうそれは問題じゃない。とても上手なパフォーマンスだったし、素晴らしい演技力だった。まるで自分の歌のように伝えたので、ソンミ(Sunmi)のことを思い浮かべることは全くなかった」と絶賛した。キューブを授与しながら、「とても良かった。その調子を維持して欲しい」と告げた。

ケンダル(Kendall)が退出した後も、J.Y.Parkはスタッフに「彼女がアマチュアだと忘れていた。表情も、カメラや僕を見る眼差しも素晴らしかった」と称賛していた。

ケンダル(Kendall)はK-POPアイドル的ビジュアルで、実力もあるので、今後予想外の失態や成長終了でJ.Y.Parkを失望させない限り、デビューの可能性はかなり高そうだ。

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