(目次)・TOP
・J-POPアーティストでファン数断トツ1位はMrs. GREEN APPLE
・2位は唯一無二・独特の個性のイケメン・藤井風
・3位はB’z―レジェンドキタ~!J-POP最盛期に青春を過ごしたファンがずっと一緒
・4位は米津玄師―楽曲のクオリティーやチャレンジで魅了
・男性ファンが6割超なのはYOASOBIだけ
「日経エンタテインメント!」2025年4月号に、GEM Partnersが全国3万人を対象に、2024年8月~2025年1月に6回実施した推し調査の回答の平均値に基づく、各種推しの日本国内推しファン数ランキングが掲載されている。回答数を日本の人口構成でウェイトを付けた推計値だ。
J-POPアーティスト(アイドル/ダンス&ボーカルグループを除く)に絞ってランキングにすると、1位は断トツでMrs. GREEN APPLE(ミセス)だった。それ以外は差が小さいが、2位は藤井風、3位はB’zだった。
男性ファン比率が最も多かったのはYOASOBIだった。
J-POPアーティストでファン数断トツ1位はMrs. GREEN APPLE
「日経エンタテインメント!」2025年4月号に、GEM Partnersが全国3万人を対象に、2024年8月~2025年1月に6回にわたって実施した調査6回の回答の平均値に基づく、各種推しの日本国内推しファン数ランキングが掲載されている。回答数が日本の人口構成でウェイト付けされた推計値だ。
ここでは、アイドル/ダンス&ボーカルグループやユーチューバーを除いたJ-POPアーティストに絞ってランキングにした。
断トツの1位は今のJ-POPの最前線を走っている、今をときめく3人組ロックバンドのMrs. GREEN APPLE(ミセス)で、推定ファン数は38万人だった。2位の藤井風の13万人の3倍の大差だ。
Mrs. GREEN APPLEのファンと答えた回答者の平均年齢は30代前半で、女性の割合が6割を超えていた。
日本は高齢化社会で、高齢者も音楽を聴くので、今回ランクインしたJ-POPアーティスト21組のうち、ファンの平均年齢が20代なのは、19位のヨルシカだけだ。
したがって、ミセスのファンの平均年齢30代前半というのは、若いとみなすべきだ。ミセス以外にファンの平均年齢が30代前半だったのは、8位のback numberと、18位のVaundyのみだ。
ミセスのボーカルとサイドギター担当の大森元貴(28)が創り出すサウンドは、ハードロックではなく、ポップなロックで耳馴染が良く、歌詞も普遍的に共感を呼びやすい。
また、大森が映画で(W)主演したり、ギター担当の若井滉斗(28)が音楽バラエティー番組にレギュラー出演して、K-POPアイドルたちと一緒にダンスをするなど、彼らはアイドル並みに幅広くメディアに露出して活動している。
このため、女性ファンの一部には、アイドルに対するのと似たような応援の仕方をしている人もいる。
2位は唯一無二・独特の個性のイケメン・藤井風
2位は大物アーティストたちを差し置いて、2020年メジャーデビューのR&B系の藤井風(27)がランクインした。ファン数は13万人で、1位のミセスの約3分の1で、大差がついていて、3位以下とはあまり差がない。
岡山県出身で歌詞に岡山弁を入れることも多い藤井風は、英語が流暢に喋れてピアノ弾き語りのワンマンショーで海外ツアーもこなすという偉大さとのギャップが興味を引き、イケメンでダンスの習得にも熱心というアイドル性も備えている。
今回の藤井風の2位という人気は、2024年大晦日の「NHK紅白歌合戦」のニューヨークからの驚きの演出の生中継の影響も、プラスに働いたと思われる。
藤井風のファンの平均年齢は40代後半で、女性が6割以上を占めている。年齢が若干高めという以外は、標準的なJ-POPファンのイメージと、それほどかけ離れていない。
既に2024年半ばから、米国レーベルと契約して、楽曲制作の拠点をアメリカに移しており、今年は欧州ツアーや米国フェス出演も予定されていて、日本にはたまに戻ってくるだけだ。それでも、新曲リリースやYouTubeコンテンツ供給はあるため、日本のファンが減る心配はない。
3位はB’z―レジェンドキタ~!J-POP最盛期に青春を過ごしたファンがずっと一緒
3位はレジェンド・ロックバンドのB’zで、ファン数は11万人だ。B’zの人気を目の当たりにすると、民放の音楽番組が懐メロランキングVTRを流しがちだったり、「NHK紅白歌合戦」がベテラン大物アーティストを出演させたがる理由が分かる。
B’zファンの平均年齢は40代半ばで、平均年齢が50代のサザンオールスターズやTHE ALFEEのファンに比べれば低く、女性の比率も6割超で、標準的なJ-POPアーティストファン、つまりJ-POP全盛期に青春時代を過ごした人たちが、ずっとファンを続けているイメージだ。
4位は米津玄師―楽曲のクオリティーやチャレンジで魅了
4位は大物アーティストの米津玄師だ。ファン数は11万人で、ファンの平均年齢はちょうど40歳で、女性が6割超を占めている。
米津玄師が大ブレイクしたのは2018年の「Lemon」リリース時からで、そのあたりからファンになった人が多いと思われる。
米津は突然奇抜な服装や髪型などでファンを驚かせることもあるが、リリースする新曲では毎回クオリティーや新たなチャレンジで魅了してくれるので、ファンの多くは楽曲に惹かれてファンを続けていると思われる。
男性ファンが6割超なのはYOASOBIだけ
今回ランクインしたJ-POPアーティストで、男性ファンが6割超を占めているのは、6位のYOASOBIだけだ。
これは、ボーカルのikuraがキュートな女性だからというのもあるかもしれないが、ボカロ系の曲をよく聴くのは男性が多いのかもしれない。Ayaseが人間が歌うことを考えずに創り出すメロディーを、努力を重ねて歌いこなすikuraは凄い。
では、日本の男性は音楽をあまり聴かないのかというと、アイドルや非アイドルのファン状況を見ると、確かに女性ファンの比率が多いアーティストが大半だが、男性だって音楽を聴くはずだ。
ファンの男女比が拮抗しているアーティストとしては、5位のMr. Children、7位のあいみょん、10位のサザンオールスターズ、13位のAdo、18位のVaundy、19位のヨルシカ、20位のあの、が挙げられる。
男性の中には、ミーハーに走らず、メジャーでないジャンル、たとえばヒップホップなどを好む人が女性より多めだから、ファン数ランキングの上位に男性ファンの多いアーティストが登場しにくいのかもしれない。
図表1 J-POPアーティスト(アイドル/ダンス&ボーカルを除く)の国内推しファン数ランキング(2024年8月~2025年1月の6回調査の平均値、万人)
順位 ブランド 万人 平均年齢/男女偏り
1 Mrs. GREEN APPLE 38 30代前半/女
2 藤井風 13 40代後半/女
3 B’z 11 40代半ば/女
4 米津玄師 11 40歳/女
5 Mr. Children 9 40代前半/男女
6 YOASOBI 9 40歳/男
7 あいみょん 8 40代前半/男女
8 back number 8 30代前半/女
9 Official 髭男dism 8 30代後半/女
10 サザンオールスターズ 8 50代前半/男女
11 King Gnu 7 40歳/女
12 スピッツ 6 40代後半/女
13 Ado 6 30代後半/男女
14 福山雅治 6 40代後半/女
15 BUMP OF CHICKEN 5 30代後半/女
16 星野源 5 30代半ば/女
17 GLAY 5 40代前半/女
18 Vaundy 5 30代前半/男女
19 ヨルシカ 5 20代後半/男女
20 あの 5 40代半ば/男女
21 THE ALFEE 5 50代前半/女
注: GEM Partners(東京・港区)が全国3万人を対象に2024年8月~2025年1月に実施した6回の調査の回答の平均値を、日本の人口構成でウェイト付けした推計。男女偏りは男女いずれかが60%以上を占める場合。
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