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・大ヒット劇場版アニメ『ONE PIECE FILM RED』の米国公開のタイミングに合わせた米国進出
・米ビルボードのチャートインを目指すなら、メイン・アルバム・チャートBillboard 200から?
・ステージ・パフォーマンスはどうするのか? ずっと顔隠しのまま映像技術などを駆使?
顔出ししない女性実力派歌手のAdoが20歳の誕生日を迎えた2022年10月24日に、世界最大の音楽企業であるユニバーサルミュージック・グループ傘下の名門音楽レーベルのGeffen Records(ゲフィン・レコード)とのパートナーシップをスタートすると発表した。
Adoの日本レーベルのユニバーサルの発表文によると、ゲフィン・レコードは1980年にアメリカで創立された老舗の音楽レーベルで、ロック、ラップ、R&B、ポップ、オルタナティブなど幅広い音楽ジャンルでチャート上位のアーティストを育成・輩出する音楽界の一大勢力となっているとのことだ。
Ado本人の公式コメントの中には、「アメリカそして世界での活動、頑張ります」という一文があり、本気でアメリカそして世界に進出する意気込みを感じさせている。Adoと言えば、筆者もその歌唱力に度肝を抜かれた経験があり、実力的には申し分ないと思っている。
大ヒット劇場版アニメ『ONE PIECE FILM RED』の米国公開のタイミングに合わせた米国進出
ところで、Adoと言えば、彼女が主題歌「新時代」を歌っている世界各国で絶賛上映中の劇場版アニメ「ONE PIECE FILM RED」が、2022年11月4日(金)に北米での公開を予定している。楽曲「新時代」は各配信サイトで100冠を突破し、映画も音楽も大ヒットが続いている。
今回のAdoの米国進出も、この映画公開に合わせたものであることは間違いない。まずは、Adoという実力派歌手と日本が世界に誇るアニメという大衆文化の組み合わせで売り込むのではないかと思われる。
実際、ユニバーサルの発表によると、ゲフィン・レコードのトム・マーチ社長も、「ONE PIECE FILM REDに収録されている彼女の音楽は世界中で旋風を巻き起こしていて、11月に全米で映画が公開されるタイミングで私たちのパートナーシップをスタートできることを楽しみにしています」とコメントしている。
(英語原文はHer music from One Piece Film: Red has taken the world by storm and we’re looking forward to starting our partnership as the film opens here in the U.S. in November.)
米ビルボードのチャートインを目指すなら、メイン・アルバム・チャートBillboard 200から?
Adoとレーベルが、アメリカおよび世界への進出に際し、何らかの目標を持っているのかは、現時点では分からない。たとえば、米ビルボードの米国のメイン・シングル・チャートのBillboard Hot 100や、メイン・アルバム・チャートのBillboard 200へのチャートインも視野に入っているだろうか。
日本のアーティストでBillboard Hot 100にチャートインした例としては、古くは坂本九が1963年に「Sukiyaki」で1位、ピンク・レディーが1979年に「Kiss In The Dark」で37位、YMOが1980年に「Computer Game」で60位を獲得している。近年では、ピコ太郎が2016年に「PPAP」で77位、宇多田ヒカルが2019年に「Face My Fears」で98位に登場するなど、チャートインはごく僅かにとどまっている。
ちなみに、2019年に98位でチャートインした宇多田ヒカルの「Face My Fears」(英語詞バージョン)は、世界的エレクトロミュージシャンのSkrillex(スクリレックス)と宇多田の共作で、ゲームソフト「KINGDOM HEARTS III」のオープニングテーマだ。これもまた、日本が世界に誇るゲームソフトだった。
K-POP勢のBillboard Hot 100チャートインとしては、BTSが2020年に「Dynamite」、2021年に「Butter」「Permission To Dance」「My Universe(Coldplayとコラボ)」で1位、PSYが2012年に「江南スタイル」で2位、2015年に「Gentleman」で5位を獲得している。他にも、BLACK PINKが最高13位など、2ケタにチャートインしている例はある。
ただ、筆者の印象では、少なくともK-POP勢を見ていると、シングルでBillboard Hot 100にチャートインを目指すよりも、アルバム(ミニアルバムを含む)でBillboard 200にチャートインするほうが幾分難易度が低いようだ。
したがって、Adoも大ヒットしたアルバム「ウタの歌 ONE PIECE FILM RED」の英語詞曲入りバージョン(全曲英語でなくてもいい)をアメリカ(および全世界)でリリースすれば、全米Billboard 200へのチャートインの可能性は十分あるのではないか、と筆者は勝手に思っている。
ステージ・パフォーマンスはどうするのか? ずっと顔隠しのまま映像技術などを駆使?
ただ、Adoはアメリカ進出後も、顔を隠したままライブをするつもりなのだろうか。アニメのキャラクターのアバターとかを使ったライブとか、映像・VR技術などを駆使するライブという方法もありだとは思う。
それでも、日本以上に、アメリカのオーディエンス(聴衆)はステージ・パフォーマンスを重視するような気もするが?
たとえば、アメリカの女性アーティストの中には、失礼ながらふくよかを通り越して将来の成人病リスクが危惧されるような太った体型の人もいるが、「外見なんか関係ないわ、実力があるんだから、文句ある?」と言わんばかりに、堂々と露出の高い衣装を着て、ステージで熱唱している。
Adoがアメリカでどのようなライブを展開するのか、興味シンシンで見守って行きたい。