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・『MUSIC AWARDS JAPAN 2026』での主な変更―エントリー曲定義、ダンス&ボーカルやアイドルの賞を新設
・8月までのチャート実績等に基づくエントリー対象作品の中間集計結果を公表
・『最優秀楽曲賞』『最優秀アーティスト賞』中間集計―J-POP大物に混じって新人HANAの大活躍が目を引く
・『最優秀アルバム賞』中間集計―CD売上の多かった作品+人気デジタルアルバム
・『最優秀ニュー・アーティスト賞』(新人賞)中間集計―2023年デビューのDXTEENやCANDY TUNEなどもいる
・『ダンス&ボーカル』にBMSG、LAPONE、LDH、avex、韓国系、『アイドルカルチャー』にSTARTO、スタダのグループ
日本で最大規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN 2026」が、2026年6月13日(土)にTOYOTA ARENA TOKYOで授賞式を開催することおよび関連イベント、エントリー対象作品などの定義・規定、14部門の新設、2025年1~8月の楽曲のチャート成績等を集計した中間集計を発表した。
ダンス&ボーカルやアイドルカルチャーに特化した賞が新設された。SNSでの盛り上がりやNHKの生中継の視聴率に、ダンス&ボーカルグループやアイドルグループのファンが貢献してくれることを、期待しているとみられる。
賞の候補となるエントリー作品は2025年1月~12月に配信またはフィジカル(CD等)でリリースされた楽曲だが、8月までのチャート成績等に基づく、国内各部門のエントリー作品の中間集計結果が発表された。
中間集計作品のリストを見ると、「最優秀ダンス&ボーカル楽曲賞」のエントリー候補のほとんどが、BMSG、LAPONE、TOBE、LDH、avex、吉本興業、韓国系事務所の所属グループの作品で占められている。
一方、「最優秀ボーイズアイドルカルチャー楽曲賞」の対象のほとんどが、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ)やスターダスト・プロモーションのグループの作品となっている。
ダンス&ボーカル部門とアイドルカルチャー部門の両方の対象となっているグループはいないので、これがこの賞での“歌って踊る”男性グループの分類・線引きであることが分かる。
『MUSIC AWARDS JAPAN 2026』での主な変更―エントリー曲定義、ダンス&ボーカルやアイドルの賞を新設
第1回の「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」では、何年か前にリリースされた楽曲も受賞対象になっていたケースがあって混乱をきたした。
しかし、「MUSIC AWARDS JAPAN 2026」では、エントリー対象作品は、「2025年1月1日から12月31日までにデジタル配信またはフィジカルリリースされた作品が対象」と明記された。
新設された14部門の賞のうち、筆者が個人的に面白いと思ったのは、ダンス&ボーカルに特化した「最優秀ダンス&ボーカル賞(グループ/ソロ)」、アイドルシーンの細分化に対応した「最優秀ボーイズアイドルカルチャー楽曲賞(グループ/ソロ)」「最優秀ガールズアイドルカルチャー楽曲賞(グループ/ソロ)」だった。
ダンス&ボーカルやアイドルに特化した賞を増やすことで、SNSでの盛り上げやテレビ中継の視聴率に大きく貢献するアイドルやダンス&ボーカルグループのファンの、この音楽賞への関心を強めたい、という主催者側の意図が伝わってきた。
また、最優秀ダンス&ボーカル賞や最優秀アイドルカルチャー楽曲賞をグループとソロに分け、最優秀アイドルカルチャー楽曲賞を男女別に分けるのは、K-POPの主要授賞式と同じだと思った。
K-POP主要授賞式が、グループとソロ、さらに男女を分けているのは、なるべく沢山の人気アイドルたちが受賞できるように配慮して、授賞式を盛り上げるためと思われる。
K-POP授賞式ではアイドルグループが大賞を受賞することが当たり前になっているが、日本では音楽配信が普及したJ-POPのチャートでロングランヒットを連発しているのは、アイドルではなく、Mrs. GREEN APPLEのようなバンドや米津玄師のようなシンガーソングライターがほとんどだ。
このため、「MUSIC AWARDS JAPAN 2026」の主要6部門(最優秀アーティスト賞、最優秀楽曲賞、最優秀ニュー・アーティスト賞、最優秀アルバム賞、最優秀アジア楽曲賞、Best Global Hit from Japan)では、アイドルではないJ-POPアーティストが受賞する可能性が高い。
それは正しいが、SNSやNHKの生中継の視聴率には力不足だ。だから、ダンス&ボーカルやアイドルに特化した賞を新設することで、対象グループのファンによるSNS盛り上げと生中継視聴率へのプラス効果を狙っているのだろう。
8月までのチャート実績等に基づくエントリー対象作品の中間集計結果を公表
上述のように、エントリー対象作品は2025年1月1日~12月31日までにデジタル配信またはフィジカルリリースされた作品だが、エントリーされるか否かは、2025年1月27日~2026年2月22日を8週間ごとに1ピリオドで区切り、計7ピリオドのチャート成績等の集計結果で決まる。
今回1stピリオド(1月27日~3月23日)から4thピリオド(7月14日から9月7日)の集計、つまり1月~8月分の集計結果による、エントリー対象作品の中間集計結果も、公表された。
各部門の中間集計結果は、「MUSIC JAPAN 2026」公式サイトのCATEGORYページ の各部門へのリンクから閲覧できる。
『最優秀楽曲賞』『最優秀アーティスト賞』中間集計―J-POP大物に混じって新人HANAの大活躍が目を引く
主要6部門のうち「最優秀楽曲賞」の中間集計結果を見ると、約100曲が並んでいるが、その順番は、楽曲名やアーティスト名の五十音順でもアルファベット順でもない。もしかしたら、現時点でのスコアが良い順で、最終集計(全ピリオド)でエントリーされる可能性が高い順かもしれない。
ちなみに、「最優秀楽曲賞」の中間集計の並び順の最初からの10曲は、HANA「Blue Jeans」、Mrs. GREEN APPLE「クスシキ」、Mrs. GREEN APPLE「ダーリン」、HANA「ROSE」、サカナクション「怪獣」、Mrs. GREEN APPLE「breakfast」、米津玄師「BOW AND ARROW」、米津玄師「Plazma」、BE:FIRST「Spacecraft」、back number「ブルーアンバー」だ。
いずれも、Billboard JAPAN Hot 100で長く上位をキープしていたロングランヒット曲なので、違和感はない。J-POPの大物アーティストたちが名を連ねる中に、BMSGの新人HANAとBMSGの長男・BE:FIRSTが食い込んでいるのが目を引く。
「最優秀アーティスト賞」の中間集計の並び順の最初からの10組は、Mrs. GREEN APPLE、back number、米津玄師、HANA、Vaundy、ちゃんみな、Creepy Nuts、あいみょん、YOASOBI、Official髭男dismとなっていて、11組目にtimeleszがいる。いずれも、ストリーミングに強いアーティストだ。
『最優秀アルバム賞』中間集計―CD売上の多かった作品+人気デジタルアルバム
「最優秀アルバム賞」の中間集計の並び順の最初からの10組は、Snow Man「THE BEST 2020-2025」、Mrs. GREEN APPLE「10」、SEVENTEEN「HAPPY BURSTDAY」、Stray Kids「Hollow」、timelesz「Hello! We’re timelesz」、JO1「BE CLASSIC」、TOMORROW X TOGETHER「The Star Chapter: TOGETHER」、timelesz「FAM」、ONE OK ROCK「DETOX」、INI「THE ORIGIN」となっている。
CDアルバムの売上枚数が多かった作品がほとんどだが、timelesz「Hello! We’re timelesz」はCDなしのデジタルアルバムだ。つまり、フィジカル(CD等の形のあるもの)とデジタルの両方が対象ということだ。
『最優秀ニュー・アーティスト賞』(新人賞)中間集計―2023年デビューのDXTEENやCANDY TUNEなどもいる
「最優秀ニュー・アーティスト賞」(新人賞)の中間集計の並び順の最初からの10組は、HANA、CANDY TUNE、Kaneee、僕が見たかった青空、BILLY BOO、DXTEEN、7m!n、ブランデー戦記、aoen、ロージークロニクル、となっている。
あれ、少なくともDXTEEN、CANDY TUNE、僕が見たかった青空は2023年デビューなんだけど? 新人の定義が分からない。
『ダンス&ボーカル』にBMSG、LAPONE、LDH、avex、韓国系、『アイドルカルチャー』にSTARTO、スタダのグループ
主要部門ではないが、「最優秀ダンス&ボーカル楽曲賞(グループ/ソロ)」の中間集計の並び順の最初からの10曲は、HANA「Blue Jeans」、HANA「ROSE」、BE:FIRST「Spacecraft」、BE:FIRST「夢中」、BE:FIRST「GRIT」、Number_i「GOD_i」、HANA「Burning Flower」、HANA「Drop」、HANA「Tiger」、JO1「BE CLASSIC」だ。
それ以外の全中間集計登場曲を見ると、INI、DXTEEN、ME:I、IS:SUEのLAPONE勢、THE RAMPAGEなどのLDH勢、BMSGのMAZZEL、TOBEのIMP.、avexのDa-iCEやONE OR EIGHT、吉本興業のOCTPATH、avex計韓国XGALXのXG、NiziU、&TEAM、aoen、YUTA、MISAMOなどの韓国系事務所のグループが名を連ねている。
一方、「最優秀ボーイズアイドルカルチャー楽曲賞」(グループ/ソロ)の中間集計の並び順の最初からの10曲は、Snow Man「SERIOUS」、Snow Man「カリスマックス」、timelesz「Rock this Party」、King & Prince「HEART」、Hey! Say! JUMP「encore」、SixTONES「BOYZ」、Travis Japan「Say I do」、King & Prince「What We Got ~奇跡はきみと~」、なにわ男子「Doki it」、ONE N’ ONLY「BLAST」、となっている。
最初の10曲だけでなく、中間集計リストの全ての楽曲を見ると、ほとんどがSTARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ)とスターダスト・プロモーションの所属アイドルたちの楽曲で占められており、アイドル色の強いLAPONE勢は一切登場しない。
「最優秀ガールズアイドルカルチャー楽曲賞」(グループ/ソロ)の中間集計リストの全ての楽曲を見ると(楽曲名は省略)、秋元康系の櫻坂46、乃木坂46、日向坂46、AKB48をはじめとする48グループ、指原莉乃プロデュースの=LOVEと≠ME(ノットイコールミ)と≒JOY(ニアリーイコールジョイ)、KAWAII LAB.のFRUITS ZIPPERたち、スターダストの超ときめき♡宣伝部など、多岐にわたっている。しかし、LAPONEのME:IやIS:SUE勢は登場しない。
これが、「MUSIC AWARDS JAPAN」における、「ダンス&ボーカル」と「アイドル」の線引きなのだ。
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