(目次)・TOP
・韓国金融当局はパン・シヒョク議長を詐欺的不正取引の疑いで検察に刑事告発する方針
・有罪が確定すれば、5年以上の懲役または無期懲役の可能性も
・パン・シヒョク議長はHYBEの最高意思決定者→刑事告発はHYBEに激震
韓国の証券先物委員会の審議機関である資本市場調査審議員会が、HYBEの創業者・筆頭株主のパン・シヒョク取締役会議長(52)を、資本市場法の「詐欺的不正取引」の疑いで、検察に刑事告発する方針を決めた、と報じられた。
もちろんパン・シヒョク議長側は徹底抗戦すると思われるが、もし有罪となれば5年以上の懲役または無期懲役の可能性がある。
HYBEの実質的最高意思決定者であるパン・シヒョク議長が刑事告発されるとなると、HYBEには大激震だろう。
韓国金融当局はパン・シヒョク議長を詐欺的不正取引の疑いで検察に刑事告発する方針
2025年7月9日配信の聯合ニュースによると、韓国の証券先物委員会の審議機関である資本市場調査審議員会が、HYBEの創業者で筆頭株主のパン・シヒョク(房時赫)取締役会議長(52)を、資本市場法の「詐欺的不正取引」の疑いで、検察に刑事告発する方針を決め、証券先物委員会が7月16日の定例会議で同事案を扱う予定となたと判明した(聯合ニュースの2025年7月9日配信の「韓国金融当局 BTS育ての親を告発へ=不正取引の疑い」を参照)。
パン・シヒョク議長は、2020年のHYBEの株式上場の前に、知人が設立した私募ファンド(PEF)と株式売却益の30%を共有する契約を結び、上場後に
WoW Koreaの2025年7月9日配信の記事同記事によると、パン・シヒョク議長は2019年に、以前からの投資家に株式公開(IPO)の計画はないとだまし、彼らの保有株式を自分の知人が設立した私募ファンド(PEF)に売るように誘導した。
その後、パン・シヒョク議長はその私募ファンドから株式売却差益の30%を共有させてもらうという契約を結び、上場後に約4000億ウォン(約430億円)を受け取った。
聯合ニュースの上記の記事によると、金融監督院は、パン・シヒョク議長が投資家に株式上場が不可能と説明していたが、裏では上場を推進していた証拠を確認したという。
パン・シヒョク議長と私募ファンドとの契約は、韓国取引所の上場審査や金融監督院の証券申告書に含まれておらず、契約の事実を知らずに株式を購入した投資家に被害を与えたとみられている。
有罪が確定すれば、5年以上の懲役または無期懲役の可能性も
資本市場法によると、重要事項の虚偽記載や隠蔽、金融商品取引における不正手段の使用は違法であり、違反した者には1年以上の懲役または得た利益の4~6倍の罰金、得た利益が50億ウォン以上の場合は無期懲役または5年以上の懲役も可能とされている(AFP BB Newsの2025年7月6日配信の記事を参照)。
つまり、有罪が確定すれば、約4000億ウォンの利益を得たパン・シヒョク議長は、5年以上の懲役か無期懲役の可能性もある。
もちろん、パン・シヒョクおよびHYBE側は優秀な弁護団を組んで、徹底的に対抗して無罪を目指す。
HYBEは7月9日に公表したコメントで、「弊社は詳細な説明と共に関連資料を提出するなど金融当局と警察の事実関係確認に積極的に協力している」「多少時間がかかっても当時の上場が法律と規定を遵守して進められたという点を忠実に証明する」などと述べた(前出のWoW Koreaの記事)。
パン・シヒョク議長はHYBEの最高意思決定者→刑事告発はHYBEに激震
ただ、パン・シヒョクは2021年7月にHYBEのCEO(最高経営責任者)を退任し、取締役会議長に就任しつつ、好きなプロデューサー業に戻ってからも、実質的なHYBEの最高意思決定者として君臨し続けている。
その後パン・シヒョクが任命した歴代CEOもパン・シヒョクの意向を受けた経営をする“雇われ社長”にすぎなかった。
今後パン・シヒョクが刑事告発されると、HYBEには大激震だろう。HYBEは今や音楽だけやっている会社ではなく、幹部には音楽以外の業界の出身者もいる。今後のHYBEの意思決定がどうなるのか、HYBEの弱体化につながるのではないか、などの懸念も浮上しそうだ。
[PR]
HYBE関連の最近の記事:
2025年7月5日付 HYBEパン・シヒョク議長を不正取引の疑いで金融監督院が調査、警察も動いている
2025年7月2日付 BTSカムバは2026年春/アルバム『PERMISSION TO DANCE ON STAGE -LIVE』7月18日発売/ スクーター・ブラウン辞任
2025年6月12日付 aoenデビュー作『青い太陽 (The Blue Sun)』オリコン初日売上3位/ HYBE JAPAN組織改編
2025年3月26日付 2024年HYBEレーベル別売上と純損益―2位PLEDIS、KOZ黒字転換、HYBE LABELS JAPANは赤字
2025年2月26日付 HYBE 2024年は売上最高も営業利益は大幅減、純損益は赤字転落/ 2025年はBTSだのみ/ 日米など現地化戦略
2025年2月21日付 HYBEが米国で新人ボーイズグループ発掘、米著名PDとタッグ、パン・シヒョク『KATSEYEは成功』