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・WAKONEの業績が2025年上半期に悪化、親会社CJ ENMから追加借入/ ゼベワンに代わる稼ぎ手が必要
・日本のLAPONEがCJファミリーの稼ぎ頭に、チェ社長の発言権が強まる方向か
韓国エンタメ企業・CJ ENMの音楽コンテンツ分野でのファミリー企業であるWAKEONEとLAPONEエンタテインメントの業績の明暗が分かれている。
WAKEONE（ZEROBASEONEなどが所属）は2025年に入って減収減益となり、資金繰り悪化で親会社のCJ ENMからの借入を増やした。2026年1月に専属契約が終了するZEROBASEONEに代わる稼ぎ手となるアーティスト（ALPHA DRIVE ONEやizna）の育成が急務だ。
一方、日本のLAPONEエンタテインメント（JO1、INIなどが所属）は、2025年4～6月期に過去最大の売上を記録し、CJ ENMの連結決算に大いに貢献した。LAPONEのチェ社長の発言権が強まる方向とみられる。
WAKONEの業績が2025年上半期に悪化、親会社CJ ENMから追加借入/ ゼベワンに代わる稼ぎ手が必要
韓国の資本市場関連メディアであるthe bellの2025年10月2日配信の記事によると、CJ ENMは2025年10月1日、収益が悪化している音楽コンテンツ子会社・WAKEONEに対し、200億ウォン規模の貸付を決定した。
これは、8月15日にCJ ENMがWAKEONEに実施した運転資金支援のための45億ウォンの貸付に続く措置だ。その結果、WAKEONEの親会社CJ ENMからの借入総額は245億ウォンに達した。
WAKEONEの営業収益（一般企業の売上高に相当）は、2024年通期では883.4億ウォンで、前年比で25.1％の大幅増収となった。しかし、2025年上半期には298.9億ウォンで、前年同期の303.9億ウォンから1.6％の小幅減収に転じた。
WAKEONEの当期純利益は2024年通期には59.31億ウォンで、前年比で8.3％の増益だった。しかし、2025年上半期の純利益は1億9,160万ウォンにとどまり、前年同期比で83.4％の大幅減益となった。
WAKEONEの売上が2025年上半期に微減に転じたのは、人気ボーイズグループ・ZEROBASEONEは好調なものの、それ以外に会社の売上に貢献できるアーティストが出てきていないからだ。
一方で、コストは増加した。2024年11月にデビューしたガールズグループ・iznaのデジタルシングルのリリースに伴う諸経費や運営費用の増加が、収益悪化につながった。
さらに、「BOYS II PLANET」（ボイプラ2）で誕生するボーイズグループを立ち上げるための準備やIP（タレントという知的財産権）拡大のためのインフラ整備に、資金投入が必要だった。
WAKEONEの稼ぎ頭のZEROBASEONEが2026年1月に専属契約終了となるため、新たなボーイズグループ・ALPHA DRIVE ONEが大成功することが、切実に望まれる。
なお、ガールズグループ・Kep1erは、2024年9月30日の契約締結以降、KLAP EntertainmentとWAKEONEの共同マネジメントとなっている。
日本のLAPONEがCJファミリーの稼ぎ頭に、チェ社長の発言権が強まる方向か
ところで、CJ ENMの2025年4～6月期決算データを見ると、営業収益（=売上高）が前年同期比で29.5％の大幅増収で1,972億ウォン、営業利益が前年同期比248.7％の大幅増益で171億ウォンという好業績に大きく寄与したのが、傘下の日本の（CJ ENMの株式持分70％の）LAPONEエンタテインメントの過去最高の売上高（922億ウォン）だった。
LAPONEでは、アルバム売上が好調で、5月開催の「KCON JAPAN 2025」は利益率が高い大成功のコンサートとなった。
LAPONEがCJ ENMファミリーの中でも主力の稼ぎ手となっているから、LAPONEのチェ社長の親会社に対する発言力が強まったと推察される。
6月に発覚したJO1の鶴房汐恩の不祥事への対応や、「日プ 新世界」の企画・運営においても、チェ社長の権限・決断尊重の方向とみられる。
【著者略歴】
・元サラリーマン（市場調査アナリスト）。最終学歴では経済学（統計学含む）を専攻。元日本証券アナリスト協会検定会員。
・2016年よりジャニオタ・ブログ執筆開始。2017年末よりK-POP中心の雑食＆音楽好きオタクの当ブログ開始。
・ピアノ履修歴は計20年超（現在はほとんど弾かない）。
・アマチュア・バンド活動歴あり（ジャズ・フュージョン、ロック、ポップス）。
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