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・2024年末『第75回 NHK紅白歌合戦』でのK-POP勢の視聴率はNHKの期待はずれ
・NHKはHYBEなど韓国大手事務所に過剰に忖度―取材記者へのNG要請が多すぎ
「FRIDAY DIGITAL」が、2024年12月31日の「第75回 NHK紅白歌合戦」のK-POP勢出演について、批判的と思われる記事を出している。
歌手別視聴率に相当する視聴率が明らかになり、K-POP勢はNHKが期待していたほどの数字を持っていなかった、としている。また、ILLITのリハーサル時の取材会の際に記者に要請されたNGリストが多く、過剰な忖度を要請した、とのことだ。
2024年末『第75回 NHK紅白歌合戦』でのK-POP勢の視聴率はNHKの期待はずれ
まずは、当サイトの1月2日付記事にも書いたが、2024年大晦日の「第75回 NHK紅白歌合戦」の平均世帯視聴率は、第1部が29.0%で、第2部が32.7%だった(ビデオリサーチ、関東地区。2025年1月2日付「2024年末『NHK紅白歌合戦』『日本レコード大賞』の視聴率が上昇!日本版グラミー賞NHK放送決定」)。
厳密には、「NHK紅白歌合戦」の歌手別視聴率のデータは公表されておらず、細かい時間別の視聴率の推移のみビデオリサーチが契約者に提供している。マスコミ各社は時間別視聴率を見て、どの歌手が出演していた時間に当たるかを照合して、記事にしている。
「FRIDAY DIGITAL」の記事によると、K-POP勢の世帯視聴率は、初出場だったHYBEのBELIFT LAB所属のガールズグループ・ILLITが28.7%で、他の3組は30%ほどだったという(FRIDAY DIGITALの2025年1月15日配信の「『韓流・K-POPと書いたらNG?』NHKの過剰な“忖度”でK-POP勢への風向きが変わった」を参照)。
ここでのK-POPの「他の3組」とは、HYBEのSOURCE MUSIC所属のガールズグループ・LE SSERAFIM、HYBEのBIGHIT MUSIC所属のボーイズグループ・TOMORROW X TOGETHER(TXT)、およびJYPエンターテインメント所属のガールズグループ・TWICEだ。
日韓合弁のLAPONEエンタテインメント所属で日本拠点の、ボーイズグループ・JO1は含まれていない。
第1部に出演したILLITの視聴率(28.7%)は平均(29.0%)とほぼ同じで、LE SSERAFIMとTXT(約30%)は平均を小幅ながら上回った。
一方、第2部に出演したTWICE(約30%)、は平均(32.7%)を下回った。
では、どの歌手が高視聴率を上げたかというと、同記事によると、トップは大トリのMISIAの35.1%、2位は西田敏行追悼企画の34.5%で、話題を集めたB’zは4位で34.3%だった。
TOP10には、B’z以外にも、6位の高橋真梨子(33.8%)、8位のイルカ(33.7%)、9位の石川さゆり(33.6%)、10位タイの南こうせつと氷川きよし(33.5%)といった、中高年視聴者が好む歌手がランクインしていて、いずれも第2部の平均の32.7%を上回っている。
結局、NHKが「紅白」の世帯視聴率を上げたければ、中高年視聴者の好む歌手を出せばいいという、前から分かっていたことが、改めて裏付けられた格好だ。
だが、NHKとしては、将来のことを考えると、この先受信料を払ってくれる期間が限られる中高年ばかりを重視するわけにはいかない。今後長い年月にわたって受信料を払ってくれる若者が、NHK離れしないように、彼らが好むアーティストを起用する必要がある。
日本の若者の間でK-POPアイドルの曲が大人気で、日韓関係も良好な限り、NHKがK-POPアイドルへのオファーをやめることはないだろう。
NHKはHYBEなど韓国大手事務所に過剰に忖度―取材記者へのNG要請が多すぎ
一方、同じ「FRIDAY DIGITAL」の記事からは、NHKがHYBEもしくは韓国大手事務所に過剰に忖度している、との見方が伝わってくる。
具体的には、ILLITのリハーサル時のメディア取材会で、NGとされた質問事項や記事を書く際にNG指定された表現が、かなり多かったという。
たとえば、メンバーにとっての「今年の漢字」を尋ねることは、漢字が韓国にないからNGだった。
また、政治的背景を含む質問、台湾に関する質問、メンバーのプライベート・ダイエット・体型管理についての質問もNGだったという。また、記事を書くに当たり、「K-POP」「韓流」「アイドル」「韓国・日本・台湾出身のメンバーが集まった」という表現がNGとされていた。
台湾に関しては、TWICEの台湾出身メンバーが過去に中国ネットユーザーらの炎上を招いた事例があるから、NG扱いなのは理解できる。漢字や政治的背景のある事柄の質問がNGなのも分かる。
プライベート、たとえば熱愛疑惑などについての質問がNGなのは、おそらく日本の大手事務所も同じ扱いとみられ、忖度の要請に他ならない。
ダイエット・体型管理についての質問がNGなのは、JYPのガールズグループ・VCHAの離脱メンバーの訴訟で、ダイエットの強制をK-POPの悪しき慣例だと非難していたため、話題にされたくないのかな、と思えた。
他のNGワードリストは、やりすぎなのではないか、と思われる。
「韓国・日本・台湾出身のメンバーが集まった」という表現がNGなのは、TWICEメンバーの国籍を書くな、という趣旨だろう。なぜNGなのか、正確な理由は分からないが、台湾というワードを避けたいからだろうか。
記事に「K-POP」「韓流」というワードを使うことをNGとしたのは、嫌韓の視聴者を刺激したくないからだろうと思うが、ジャンルを示すワードを禁じるのは、やりすぎだろう。
記事に「アイドル」というワードを使うことをNGとしたのは、HYBEもしくはJYPからの要請であれば、アイドルでなくアーティストだと主張したいのかもしれない。NHKの要請であれば、アイドルの出演が多いとの批判を避けたいからかもしれない。いずれにしても、彼らは紛れもなくK-POPアイドルだから、NG指定はやりすぎ、ナンセンスだと思う。
全体として、NGが多すぎ、忖度させすぎだと感じさせる記事で、取材記者が呆れた、もしくは怒りを感じたことがうかがえる。
そんな面倒を強いるのなら、K-POPアイドルなど出すな、と言いたいところだったが、取材させてもらえなくなると困るから受け入れる、というのが実情なのだろう。
「FRIDAY DIGITAL」のこの記事を書いた記者はおそらくK-POPアンチなのだろうが、そういうバイアスを考慮しても、NGワードの多さから、NHKのHYBEもしくはK-POP大手事務所への過剰な忖度が伝わってくるのは否めない。
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