(目次)・TOP
・『LAPOSTA』について
・メンバーの5年後、10年後を考える
・JO1・INIの海外進出について
・韓国と日本の業界の違い/ オーディション番組飽和状態
・チェ社長の人的マネジメント哲学/ 骨折手術の際にJO1の曲を流してもらった
韓国CJ ENMと吉本興業の合弁会社でJO1、INI、DXTEEN、ME:I、IS:SUEの5組が所属するLAPONE(ラポネ)エンタテインメントとLAPONE GIRLSの社長の崔信化(チェ・シンファ)氏が、Newsweek日本版のインタビュー記事に登場し、所属アーティストのキャリア形成、JO1・INIの海外進出などについて語った(Newsweek日本版の2024年12月30日配信の「JO1やINIが所属するLAPONEの崔社長『日本の音楽の強みは《個性》。そこを僕らも大切にしたい』を参照」。
ツッコみどころはあるが、チェ社長の所属アーティストへの愛情が伝わってくる内容だった。
『LAPOSTA』について
「LAPOSTA」について、チェ社長はJO1がデビューした2020年3月に、東京ドームでファミリーコンサートみたいなイベントを開催したいと思いついたと述べた。その後、メンバーの成長につながる場を作り、彼らが考えていること、やりたいことを積極的に提案してもらうことにした、と語った。
この項についての筆者の感想だが、「LAPOSTA」開催のたびに、一部のファミリー売り反対のファンが反発しているのは、INIを誕生させた「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」(日プ2)開催時に、JAM(JO1ファン)が弟グループを応援してくれるような雰囲気作りをしなかったからだと思う。
その後、オーディション番組を経ずにDXTEENをデビューさせる直前に、急にファミリー売りを強化し始めたから、元々ファミリー売り反対だった一部ファンが猛反発した。
しかし、LAPONEがめげずにファミリー売り路線を貫いたことで、結果的に奏功した。ME:IとIS:SUEが誕生した「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」(日プ女子)の頃には、日プ女子からの新規ファンが、兄グループにも興味を持って応援するようになるケースも、多数出てきた。
単独ライブだと、LAPONEの韓国親会社のCJ ENMの演出に縛られるが、「LAPOSTA」に関しては、日本のLAPONEの裁量でできる部分が大きい。「LAPOSTA 2025」では、まさかのJO1・INIのメンバー全員のそれぞれのソロ公演も開催され、メンバーの負担は大きいものの、かなりのやりがいがあるはずだ。
ファンの声に常に耳を傾けている
チェ社長は、ファンの声に常に耳を傾けている。JO1の初の東京ドーム公演は、合同ライブでなく、単独にしてほしかった、というファンの声については、元々チェ社長も先に単独で東京ドームに立ってほしかったが、結果的に、LAPOSTA東京ドーム公演のほうが先になったという。
筆者個人的には、ファンの声に常に耳を傾けているということであれば、スタッフのミス多発をなくしてもらいたい。たとえば、INIのカレンダーでは、メンバーの誕生日の間違いとか、あり得ない単純ミスが連発していた。ミスは起きるものだが、繰り返すのは問題だ。
また、JO1以外のグループが、口パクグループ呼ばわりされないための対策も、何とかしてもらいたい。
メンバーの5年後、10年後を考える
チェ社長は、メンバーが楽しく仕事ができて、1人1人の能力をもっと上げられるような会社にしていきたい。5年後あるいは10年後のJO1、INI、DXTEEN、ME:I、IS:SUEのことを考えないといけない、と考えている。
チェ社長は、全部グループのライブに行くが、3年ほど前から立ち見席で見ているという。理由は、ライブがすごく大変で、その頑張っている姿を見た問いに、自分が座っている場合ではないと思ったからだという。
筆者としては、所属タレントの長期的キャリア形成を支援する姿勢は、良いことだと思う。年齢が上がるにつれて、激しく歌って踊るアイドルの仕事はやりづらくなる。メンバー1人1人が長く芸能界で仕事ができるようにするためには、若いうちから、俳優業やソロアーティストなど、それぞれの得意分野で個人のキャリアを積むことが大事だ。
この方式は、既に日本では旧ジャニーズが長年実施してきたもので、LAPONEも同様に、所属タレントの個別のキャリア形成を支援する方針だ。所属タレントには恩恵となるが、個人の仕事で多忙になると、グループのリリースの間隔が開き、海外進出のタイミングも作りづらくなる可能性がある。
1つ気になるのは、デビュー時の契約で、グループのメンバーの受け取る報酬額が、均等にされている点だ。ソロでの仕事を行っても、その報酬は11人のメンバー全員に均等割りで支払われる。そうなると、ソロ仕事の多いメンバーが損をするようになる。
また、メンバーが楽曲の作詞または作曲に携わった場合の著作権料の扱いは、明らかにされていないが、もし著作権収入も、実際に作詞または作曲をしたメンバー以外も含め、全員に均等に分配されているなら、実際に作詞または作曲をしたメンバーが損をする。
LAPONEの各メンバーとの契約は、韓国式の7年契約ということではなく、日本式の1年ごとの更新なのだろうか。
筆者個人的には、おそらく、デビュー後何年か経過した時点で、個々のメンバーの報酬額は歩合制になり、著作権収入は実際に作詞または作曲を担当したメンバーだけに支払われるようになるのだろう、と推測している。そうでなければ仕事を沢山したメンバーが損をするから、いずれ不満が爆発するだろう。
JO1・INIの海外進出について
チェ社長は、JO1・INIの海外進出については、JO1はデビューして5年を超え、INIも3年を超えたので、これからは自分たちで考えていかないといけない時期になった、と考えている。会社に海外に行くかと問われるからではなく、メンバーと話し合って一緒に決めさせる方針だという。
チェ社長は、グローバルで活躍していく道のりは簡単ではない、とメンバーに厳しく説明しているという。2025年2月からワールドツアーが始まるJO1には、これからもっと厳しい道を行くことになるが、チェ社長以下のスタッフと一緒に乗り越えていこうと話しているそうだ。
チェ社長は、海外の活動を望まないグループには、海外での活動が絶対に必要だと思ったら、何度でも説得する、ちゃんと説明して話し合う、と述べている。
なぜ海外進出は「もっと厳しい道」なのか。
それは、SKY-HIが述べていたように、海外公演は日本国内公演よりも、時間やお金の面でのコストやリスクが、かなり大きいからだ(2024年12月25日付「SKY-HIがCD特典商法を痛烈批判!BE:FIRST世界進出戦略を語る(WBS ワールドビジネスサテライト)」を参照)。
ファンが既に多数いる国内公演と違って、ハコ(会場)も小さく、集客・採算や評判で、成功できるかどうかは未知数だ。国内で稼いだ収益の多くが、ヘタすると海外公演の赤字で吹っ飛ぶ可能性すらある。
生半可な気持ちでは、海外ツアーで成功できないが、メンバーが国内での個人の仕事で多忙だと、海外公演を成功させるための練習などの準備に割ける時間がなかなか取れない、という問題もありえる。また、日本でのメディア露出が減って、寂しがるファンもいるだろう。
どうありたいのか、メンバー自身が決めるということだが、LAPONEもメンバーも、海外進出を成功させたいと思っているはずだ。
韓国と日本の業界の違い/ オーディション番組飽和状態
チェ社長は韓国の業界と日本の業界は違う部分もある、と述べている。たとえば、SNSや制作の環境など、韓国の業界は展開が早い。また、韓国の音楽番組と日本の音楽番組は、制作スタイルから、番組の構成、収録方法など、雰囲気も含め、さまざまな点で異なっている。
チェ社長から見て、日本の良さは、個性が強いところで、それぞれの個性を活かしている点が韓国とは違うという。世界的に流行っているK-POPはすべてアイドルだが、世界で受け入れられている日本の音楽は、アニメソング、バンドなど、いろいろな個性で勝負している。
チェ社長は、LAPONEにとっては、アイドル事業をやりつつ、自分たちの個性をどう表現していくかが大きな課題、と述べている。
チェ社長は、アイドルを誕生させるオーディション番組は飽和状態で、今は下降しているタイミングとみている。
筆者の解釈としては、チェ社長の発言からは、今すぐLAPONEが次のオーディション番組を手がけるつもりはなさそうだ。
実際、LAPONEの韓国の親会社のCJ ENMが運営するMnetの新オーディション番組「BOYS II PLANET」は、韓国と中国で同時進行されることになったが、日本での開催はない。おそらく日本での拠点となるはずのLAPONEが反対したのだろう。
ただし、チェ社長はLAPONEが今後グループを増やすつもりはない、とは言わなかった。将来、タイミングをみて、4つ目のボーイズグループ、あるいは3つ目のガールズグループを誕生させるオーディション番組を、日本で行う時が来るだろう。
会社が儲かっている限り、グループを増やして、STARTO(旧ジャニーズ)並みの大きな勢力になりたいはずだ。
チェ社長の人的マネジメント哲学/ 骨折手術の際にJO1の曲を流してもらった
チェ社長は、LAPONEのスタッフやメンバーには、基本を守ってほしい、例えばちゃんと挨拶する、自分に余裕がある時は人を助ける、という方針を述べた。基本的に、社長室のドアは常にオープンにしているそうだ。
個々のアーティストの活動の方向性に関しては、本人たちとも話し合いをしっかり行い、メンバーの考えを尊重するという。この会社は嫌だ、精神的に病んでしまう、となると会社にとっても彼らにとっても損失なので、そういう環境は作りたくないそうだ。
チェ社長は、所属グループの曲を聴いている。3年前のJO1とのサッカーの際に骨折し、手術中に自分の希望する曲を流してくれると言われて、JO1の曲をずっと流してくださいと頼んだそうだ。
何でINIの曲は頼まなかったのか、やっぱりJO1偏愛だ、と思う人もいるかもしれないが、チェ社長とJO1のサッカーの件は2021年7月に話題になっていて、当時まだINIはデビューしていなかった(2021年11月3日のデビュー)。
今だったら、チェ社長はJO1、INI、DXTEEN、ME:I、IS:SUEの全てのグループの曲を平等に流すように、リクエストしてくれるだろうか?
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